今回の震災復旧工事は8年前に大規模修繕工事を施工させて頂いた管理組合様です。本来は2年前から計画されていたバルコニーのソーラーパネル撤去とアルミ手摺新設工事でしたが、今度の震災復旧工事を加えた大規模修繕工事となりました。
震災の被害は開放廊下の雑壁とバルコニー側の磁器タイルのひび割れ・欠損が多く見られます。震災の被害は2階から4階あたりに集中し、上の階の5階から10階に上がるに従って徐々に少なくなっています。
この管理組合様の最大の強みは修繕委員長が建築設計事務所の社長さんで、しかも、マンションの設計を手掛けていらっしゃる先生が担当されている事にあります。新築にのみならず大規模修繕工事のコンサルもされ、施工者の側からすると大変気の引き締まる思いがあります。ご指名を頂いた事に深く感謝いたします。
仙台市の判定では「半壊」とされており、開放廊下側の壁には一部鉄筋が露出して欠損が多く見られ、ひび割れの幅も5.0mm位に達した貫通している個所も多く見られます。
すでに調査・マーキングを基にした下地補修の数量は出来ており、修繕設計仕様に基づいた工法で施工を行いますが、当然ながら厳しい検査をクリアーしないといけません。
幸いにも数点の指摘事項を頂いた他はクリアーとなり、本日、若干の手直しと共に養生を剥がしで完了に至ることが出来ました。
下地補修後の塗装は予算の関係でタッチアップ(部分塗装)となるケースもありますが、8年ほど経過した塗膜は艶引けは避けられず、サンプルをメーカーに送って調色しても以前様には戻りません。色や艶のむらやは美観の低下を伴い、マンションのイメージを低下させることが多く、出来れば全面塗装をお勧めします。
01 施工前 欠損
02 施工前 欠損
03 施工前 ひび割れ 0.3mm以上 1.0mm未満 欠損
04 施工前 欠損
05 エポキシ樹脂低圧注入01 0.3mm以上 1.0mm未満
06 エポキシ樹脂低圧注入02 ひび割れ幅0.3mm以上 1.0mm未満
07 エポキシ系シール材摺り込み ひび割れ幅 0.3mm未満
08 エポキシ系シール材摺り込みヘラ押さえ ひび割れ幅1.0mm以上
09 ひび割れUカット処理 幅1.0mm以上
10 シール材充填 ひび割れ幅1.0mm以上
11 入隅部欠損エポキシモルタル充填
12 エポキシ樹脂注入&エポキシモルタル充填完了
13 パターン付け&塗装 微弾性フィーラー+シリコン樹脂塗料
14 施工完了01
15 施工完了02
16 施工完了03
17 施工完了
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】
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