マンション大規模修繕 知恵袋
2022.10.22
地震被害修繕工事 バルコニーサッシカバー工法 2022.10.21
仙台では今年3月の震度6弱の地震の為、マンションの共用廊下やバルコニー壁の雑壁の剪断クラックによる被害が見られます。その多くは地盤の悪い地域に集中的に見られる様ですが、3.11大震災の時には被害の及んでいなかった箇所に多く見られる傾向にあります。
雑壁の損傷と共に見られるのがサッシ枠の歪みで、障子が開け閉め出来なくなったりクレセントが掛からないなどの不具合が発生し、サッシ枠の歪み箇所からは隙間風は入る為、日常生活に大きな支障が発生し早急に改善する必要性があります。一般的な工法は「サッシカバー工法」が採用されますが、大きな利点は、この工法はサッシ枠の取外しの必要がない為雑壁の斫り作業が無く(グラウト充填工法の場合を除く)、仮間仕切りなどの必要が有りません。また、予めサッシ枠の製作が完了していれば取付作業は1日で完了します。
この工法は既存のアルミサッシ枠は取外ししないでそのまま残し、新たなサッシ枠を特注で製作して内・外から被せて障子(ガラス戸)も新たな物と入れ替える方法です。但し、発注の後は正確な寸法取りと図面の作成が必要の為、メーカーに発注後は約1か月半の製作期間が必要です。また、障子のサイズが小さくなる為特注サイズで製作する必要が有る為、既存の障子は取り外して処分します。なお、サッシの歪みが左右共5.0mm以上ある場合はサッシ枠の調整が必要で、差し枠の雑壁をW=100mm程斫って鉄筋を露出させ、再溶接を行って枠の調整を行い必要が有ります。
メリットの大きな「サッシカバー工法」ですが、サッシ枠の大きめなサイズを被せることになる為、完成後のサッシの横幅は左右で3.0~4.5cm程度狭くなり、フラットな状態の際床の下端サッシの高さは3.0~4.0cm程高くなり、上端も同等になり全体的ガラスサッシ面は狭くなります。(既存のサッシ下端の状況によってはフラットに施工可能な場合も有ります)
1. 施工前 剪断クラック
2. 施工前 サッシ枠の歪み
3. 雑壁斫り撤去の後
4. グラウト充填完了
5. サッシ枠歪み調整 (再溶接)
6. サッシ枠溶接完了
7. サッシ枠廻りモルタル充填
8. サッシ枠廻りモルタル充填完了
9. サッシ縦枠取付 (内・外)
10. サッシ枠上端取付け (内・外)
11. サッシ枠下端取付け (内・外)
12. サッシ枠化粧板取付け (内外)
13. 障子ガラス取付け
14. 施工完了 サッシ枠下端
15. 施工完了 サッシ枠上端
16. シールを内・外に打って施工完了