マンション管理士の三島です。今回は大規模修繕工事「排除命令処分案」についてマンション管理士ができることです。
近年、国土交通省や公正取引委員会による「大規模修繕工事に関する排除命令」や「談合認定」等の処分を出す方針を固めたとの発表が相次いでいます。
管理組合にとっては、自分たちのマンションでも同じことが起きていないか、不安を感じるニュースです。
しかし、こうした問題が表面化した今こそ、マンション管理士が管理組合に対して果たせる役割は大きくなっています。
本記事では、今回の排除命令を踏まえ、管理組合が取るべき行動と、マンション管理士が提供できる支援を整理します。
- 排除命令処分案が示した「本質的な問題」
今回の排除命令処分案で明らかになったのは、単なる「業者間の不正」ではありません。
より深い本質は次の3点です。
- 情報格差が大きい管理組合は狙われやすい
技術的知識が不足していると、見積りの妥当性を判断できない。 - 発注方式が不透明だと、業者が価格を操作しやすい
特命発注や形式的な相見積りは、談合の温床になりやすい。 - 管理会社任せの運営はリスクを高める
管理会社が悪いという話ではなく、「丸投げ構造」が問題。
つまり、管理組合が主体性を持ち、透明性の高いプロセスを構築することが不可欠なのです。
- マンション管理士ができること
ここからは、マンション管理士が管理組合に対して提供できる具体的な支援を整理します。
① 発注方式の見直しと透明化
- プロポーザル方式の導入
- 技術提案評価の仕組みづくり
- 評価基準の作成と説明
- 選定過程の記録化
管理組合だけでは作れない「公平なルール」を設計することができます。
② 見積書の妥当性チェック
- 工事項目の過不足
- 数量の妥当性
- 単価の相場比較
- 不要工事の排除
談合があったかどうか以前に、「適正価格かどうか」を判断できる専門家が必要です。
③ 修繕委員会のサポート
- 委員会の立ち上げ支援
- 議事録作成
- 委員の役割整理
- 住民説明会の資料作成
委員会が機能しなければ、透明性は確保できません。
④ 管理会社との役割分担の明確化
- 管理会社が行うべき業務
- 管理組合が判断すべき事項
- 外部専門家が担うべき領域
「丸投げ」を防ぎ、健全なチェック体制を構築します。
⑤ 住民への情報公開と合意形成
- わかりやすい資料作成
- 工事の必要性の説明
- 費用の根拠の提示
- 反対意見への丁寧な対応
透明性を高めることで、不信感やトラブルを未然に防ぎます。
- 排除命令を受けて管理組合が今すぐやるべきこと
ここでは、管理組合が「今日からできる」アクションをまとめます。
- マンション管理士が関わることで得られる「3つの安心」
- ① 価格の妥当性が確認できる
専門家が入ることで、談合や不当な価格操作のリスクが大幅に減ります。
- ② 発注プロセスが透明になる
選定基準・評価方法・議事録など、すべてが記録として残るため、後から疑念が生まれません。
- ③ 管理組合の主体性が高まる
「管理会社任せ」から脱却し、住民自身が納得して意思決定できる体制が整います。
- 最後に:排除命令処分案は“他人事”ではない
今回の排除命令処分案は、特定の企業だけの問題ではありません。
情報格差がある限り、どのマンションでも起こり得る問題です。
だからこそ、管理組合は「自分たちのマンションは大丈夫か」を点検し、
必要に応じて外部専門家を活用することが重要です。
マンション管理士は、管理組合の立場に立ち、
透明性の高い大規模修繕を実現するためのパートナーとして力を発揮できます。
mishima
最新記事 by mishima (全て見る)
- 今回の大規模修繕工事「排除命令処分案」についてマンション管理士ができること - 2026年6月29日
- 大規模修繕工事の談合から管理組合が学ぶこと - 2026年6月18日
- 自宅マンションの「マンション標準管理委託契約書」を見直してみては - 2026年6月8日
- 大規模修繕工事で見落とされがちな「シーリング工事」の本当の重要性 - 2026年5月28日
- マンション大規模修繕工事における「修繕委員」の役割とは - 2026年5月18日







