グレードアップ工事について

グレードアップ工事についてご説明します。

マンション共用部のグレードアップ工事

経年によるマンションの痛み、陳腐化、高齢化対策が注目を浴びていますが、物理的老朽化の問題は今後避けて通れない問題となっています。

経年による建物各部位の傷みは改良・改善を含めた大規模修繕工事で対応しますが、相対的(社会的)劣化への対応も必要になり、生活水準に対応できる住居の機能改善の検討が必要になっていきます。
そのため、専有部を含めたマンション全体のグレードアップの検討も同様です。

また、居住者の高齢化とバリアフリー化への対応が必要になり、階段手すりの設置、スロープ新設なども検討課題となります。
そのため、何処までグレードアップが必要か、マンション規模に対して適切か等、資金計画と修繕工事の優先順位を協議する必要があります。

エントランスホール廻りのバリアフリー対応

バリアフリー改修のねらい

1. 段差をなくす
スロープの設置、車椅子などへの対応等
2. 手摺を取付ける
廊下・階段・スロープ等に手摺を取付ける
3. バリアフリー改修
全ての管理組合員が総会・各種会合・行事等に参加出来るように施設改良を行う。
※ 集会所・トイレなどの改善等

具体的には、エントランスの入口にスロープを付け、階段部分に手摺を取付けて車いすでの利用を可能にします。
エレベーターホールや廊下に段差があれば解消して手摺を取付け、廊下やロビーの床面を濡れても滑りにくい仕上げ材などに張替りえたり、階段の段鼻部分に滑り止め等を取付けます。

  • エントランスホール廻りのバリアフリー対応1

    車いす用エントランススロープ

  • エントランスホール廻りのバリアフリー対応2

    エントランスホール内に手摺を設置

避難階段・共用廊下・EV内に手摺設置

震災時などのエレベーター停止を想定し、避難階段・廊下への手摺設置も検討課題となります。
東日本大震災の時は手摺があったため救護者の搬送時に大変有効だったという報告がありました。

  • 避難階段・共用廊下・EV内に手摺設置1

    避難階段・廊下に手摺を設置

  • 避難階段・共用廊下・EV内に手摺設置2

    EVカゴ内に折りたたみ式の手摺を設置

エントランス廻りのグレードアップ

玄関ホールの使い勝手を再検討し、壁・床・天井・照明器具などの内装を改修し、古くなったメールボックスや掲示板も新しい物に更新します。
マンションの顔であるエントランスをグレードアップすることで、マンション全体のイメージを明るく一新する他、資産価値を上げる効果も高いです。

エントランスホールを豪華で綺麗にする、集合ポストや宅配ポストや掲示板を改良するなど、デザイン性と機能性を重視したプラスα工事で、エントランスホールを上質な空間に改良します。

  • エントランス廻りのグレードアップ1

    エントランス内装・照明の改善

  • エントランス廻りのグレードアップ2

    メールボックスの更新

住戸玄関扉のグレードアップ更新(カバー工法)

築年数の古いマンションではスチール扉のケースもありますが、三方枠の歪みなどにより隙間が出来たり開閉不良が起こりやすくなります。
また、デザイン的にも古いため大規模修繕工事が済んでも社会的劣化のイメージは拭えません。

玄関扉のカバー工法の場合には枠を撤去せず新たな枠を被せ、アルミ扉を新規に制作して取付けます。
枠の撤去や処分の必要がないためコストパフォーマンスの優れ、マンションの改修工事は主流になっています。
硬質塩ビシートは豊富なデザインがあり、ノブも新たに交換すれば利便性が向上すると共にマンションの明るくイメージが向上します。

  • 住戸玄関扉のグレードアップ更新(カバー工法)1

    玄関扉・三方枠のカバー工法

  • 住戸玄関扉のグレードアップ更新(カバー工法)2

    既存の枠は撤去せず新たな枠を被せます。

住戸サッシのグレードアップ更新

古くなったサッシは枠や障子の歪みによって隙間が生じ、パッキンなどの劣化も進行して気密性の低下と開け閉めの不具合が生じてきます。

既存の枠を残したまま新たに枠を被せ、障子は新規に制作して収めます。
玄関扉のカバー工法と同様に枠の撤去交換の必要がないため、お客様への負担も少なく工期の短縮と共に工事費の削減に繋がります。

  • 住戸サッシのグレードアップ更新1
  • 住戸サッシのグレードアップ更新2

バルコニーサッシのカバー工法。(震災発生時の枠調整を含んだ状況)

バルコニー手摺のグレードアップ(アルミ手摺への更新)

築25年前後のマンションではバルコニーの手摺はスチール製のものが多く、経年の劣化により支柱の取合いや溶接箇所などに腐食が発生し、放置すると手摺の外れ・脱落等につながり安全性が低下します。
また、スチール手摺は5年から7年毎の塗替えが必要でメンテナンス費用がかさみ、腐食が発生した際には足場がないと改修は困難で、知らないまま放置されている事も少なくないと思います。

アルミ手摺への更新の場合には支柱の腐食防止に優れた接着アンカー工法などがあり、デザイン性に優れた手摺の更新はマンションのイメージを一新します。

  • バルコニー手摺のグレードアップ(アルミ手摺への更新)1

    スチール製手摺の更新(施工前)

  • バルコニー手摺のグレードアップ(アルミ手摺への更新)2

    アルミ手摺更新完了の状況