バルコニー手摺改修工事

バルコニー手摺改修工事

バルコニー手摺の劣化と安全性の低下

最近のバルコニー手摺はアルミ製が一般的で、定期的な塗装や支柱根廻シール打ち等のメンテナンスは殆ど必要がなく、耐久性も有って美観も優れています。

しかし、築年数の古いマンションのバルコニー手摺や出窓面格子などはスチール製が多く、経年により発錆・腐食や塗膜の剥離・変退色が進み、錆汁などが流出すると美観上好ましくありません。

また、横手摺のモルタル笠木との取合いは温度差によるスチール手摺との伸縮差が生じ、モルタル笠木に欠損が生じて雨水が内部に侵入し、内部鉄筋の腐食が進行すると手摺の安全性の低下も懸念されます。
特に、横手摺のパイプ下端には水が溜まり易く、余り目立たない所に腐食が発生し、気が付かないうちに穴が開いている事も有ります。

通常、鉄部塗装の雨掛かり箇所については5年毎の塗替えが推奨されていますが、バルコニー内での施工には足場やゴンゴラの架設が必要で、どうしても12年~15年サイクルの大規模修繕工事の際の施工となります。その為、腐食すると塗り替えても再び錆びが発生し易くなり、1回目以降に手摺の塗膜の劣化や手摺の不具合の発生が増加する傾向に有ります。

第2~3回目の大規模修繕工事の際に手摺の修繕計画が持ち上がりますが、定期的な塗替えと部分補修で対応するか、又はアルミ製の手摺に全面交換するかの選択が課題になります。

今後のロングコストを考慮した適切な修繕計画を立てる共に、資金計画に沿った区分所有者様の合意形成が必要不可欠となります。

マンションバルコニー手摺改修工事

改修に至る経緯

築年数の古いマンションのバルコニー手摺はスチール製が多く、最近のアルミ手摺と違って定期的な鉄部塗装は欠かせません。しかし、足場かゴンドラを架設しないと施工は難しく、第2回目以降の大規模修繕工事で行うケースが多い。
外部に面している為雨や紫外線にさらされている鉄部の劣化は進み、築30年を経過するマンションでは発錆や塗膜剥がれ・編退色以外に、支柱やパイプなどの根回りに雨水が侵入し、腐食が進んで危険な個所も見られます。大規模修繕工事の際には根回りにシールを打つことが一般的ですが、そのまま放置されているとどんどん腐食が進み、溶接などの部分的な補修では対応ができず、結果的に手摺の全面的な更新時期を迎えることになります。

改修のポイント

手摺の腐食は生活者の安全に直結することから、第2回目の大規模修繕工事では検討項目となっていることも少なくありません。今回はスチールからアルミ手摺へと更新し、耐久性と塗装などのメンテナンスコストを削減することが目的です。また、共用廊下の玄関扉のカバー工法による更新と共に、美観上の観点あるいは社会的劣化の解消も目的の一つです。
今回お声がかかった管理組合様には7年前に大規模修繕工事でお世話になり、その後も小修繕工事などを通じて長いお付き合いを頂いています。区分所有者でマンションの新築や改修に精通された1級建築士がおられ、修繕設計と工事監理を自ら行われている管理組合様です。入居者にとってこんなに心強い味方も他にないでしょう。

施工上のポイント

今回の工事は枠や配管が腐食し使わなくなった温水ソーラーパネルを撤去し、パンチングアルミパネルを組み込んだアルミ手摺を取り付ける仕様です。設計仕様に基づいてメーカーに手摺を発注し、解体業者にソーラーパネルの解体撤去と処分を依頼します。撤去後のモルタル補修と一部残された既存のステール手摺の塗装を行い、震災復旧工事を含めて2か月半の工期で予どうりに竣工しました。

手摺の取り付け工法については、強度と躯体との取り合いの防水性を重視し、この点で優れたケミカル接着アンカー工法(日本ヒルティ)を採用しましたが、施工性の良さでも優れている点が多い。なお、既存のバルコニーはウレタン塗膜防水層のため、メタルアンカーでの取り付けは困難です。
新しくなった手摺はマンション全体の外観のイメージを一新し、美観も向上して入居者様からは大変好評でした。また、バルコニー外壁の磁器タイルの貼り換えも加わり、共用廊下側も含めた震災復旧工事も完了しました。

施工前の写真

  • 施工前の写真1
  • 施工前の写真2
  • 施工前の写真3

施工の流れ

  • 既存支柱切断

    既存支柱切断

  • 既存ソーラーパネル撤去

    既存ソーラーパネル撤去

  • ソーラーパネル撤去搬出

    ソーラーパネル撤去搬出

  • ドリル穿孔作業

    ドリル穿孔作業

  • アルミ支柱部材

    アルミ支柱部材

  • ケミカルアンカー注入

    ケミカルアンカー注入

  • 接着系注入方式アンカー HIT-RE-500 (日本ヒルティ)

    接着系注入方式アンカー HIT-RE-500 (日本ヒルティ)

  • アルミ支柱取付け

    アルミ支柱取付け

  • 笠木部穿孔作業

    笠木部穿孔作業

  • M8メタルアンカー打設

    M8メタルアンカー打設

  • アルミ枠組み込み

    アルミ枠組み込み

  • アルミ笠木取付け

    アルミ笠木取付け

  • パンチングアルミパネル取付け

    パンチングアルミパネル取付け

  • アルミパンチングパネル取付け完了

    アルミパンチングパネル取付け完了

  • 施工完了

    施工完了

施工後の写真

  • 施工後の写真1
  • 施工後の写真2
  • 施工後の写真3