屋上防水工事

屋上防水工事についてご説明します。

マンションの屋上防水層の種類

代表的な屋上屋根の種類は以下の3種類です。

  • 歩行型(陸屋根)
    屋根の使用目的としてだけではなく、設備機器の置き場や屋上駐車場や屋上緑化・屋上庭園等の多岐の用途に用いられ歩行が可能です。(アスファルト防水押えコンクリート仕上げなど)
  • 非歩行型(陸屋根)
    屋根の加重をできるだけ避けたい目的で用いられ、屋根に諸設備を設けない条件ではありますが、配管を敷設する時には軽歩行用の補強材を設けます。(露出アスファルト防水・シート防水仕上げなど)
  • 勾配屋根
    意匠性と雨水が屋根に溜まらない目的で用いられます。屋根が勾配になっているので、屋根の色彩が外観から見える事により建物全体のイメージアップになります。(アスファルトシングル葺き仕上げなど)
  • マンションの屋上防水層の種類1

    陸屋根
    アスファルト押さえコンクリート仕上げ(歩行用)

  • マンションの屋上防水層の種類2

    陸屋根
    露出アスファルト防水仕上げ(軽歩行用)

  • マンションの屋上防水層の種類3

    勾配屋根
    アスファルトシングル葺き仕上げ

屋上防水改修工事の工法

改修工法の種類

改修工法の種類

改修の工法には、既存の押さえコンクリートや防水層をすべて撤去する「撤去工法」と、既存の上から改修する「被せ工法」に大きく2種類に分かれます。

前者の「撤去工法」は費用・工期などがかかりますが、新築時と同程度に戻す事が可能です。
後者の「被せ工法は」既存の仕様・状況などにより下地調整が変わりますが、「撤去工法」と比較し一般的には費用・工期及び撤去・廃材処分費がかからず、最近のマンション屋上防水改修工事では「被せ工法」が多く採用されています。

 

一般的に屋上防水は、経年により徐々に劣化が進むので、新築時の仕様によるものが10~15年毎に改修工事を行なう必要があります。
この考えは一般的にも広く浸透しており、最も計画的に改修が実施されている部位とも考えられています。

屋上防水は、防水材料により熱アスファルト防水、改質アスファルト防水、シート防水及び塗膜防水などに分類されます。
また、工法からは、露出防水、保護防水に分類でき、また機能面からは断熱防水等も挙げられます。

防水改修の実施に当たっては、既存防水層、既存押え層の劣化状況を把握した上で、改修材料・工法を選定するが、近年の社会情勢から、既存撤去による発生材を少なくする事を考慮に入れて改修計画を立てる事が必要です。
現在マンションの屋上防水改修工事では、改質アスファルトトーチ工法、塩化ビニールシート防水、ウレタンゴム系塗膜防水が主流になっています。

防水工法

代表的な防水材料の材質による種別

  • アスファルト
    原油を生成する過程で最後に残る耐水性の高い物質。新築時に多用されるため改修でも主流となっています。
    防水改修工事では(アスファルト防水熱工法・改質アスファルトトーチ工法・アスファルトシングルカバー工法など)
  • 加硫ゴムシート
    車のタイアなどに使用されるゴムと同様のゴムを原料にしてシートに加工したもの。軽くて柔らかなため、鉄骨造りの建物や改修工事のでの採用が多いが、現在ではより耐久性に優れてメンテナンスが少なくて済む塩化ビニールシートが多く使われています。
  • 塩化ビニールシート
    塩化ビニール樹脂を原料にシート状に加工したもので、新築では接着剤で貼り付ける工法が多い。
    改修では、機械工程工法(屋根のコンクリートにディスク板をビスで取り付けておき、シートはそのディスク板に接着させるため機械固定工法と呼ばれる)での採用が多い。(塩化ビシート防水)
  • ポリウレタン系
    ウレタン樹脂を用いた塗膜防水剤で。2液(主剤・硬化剤)を混ぜ合わせて反応硬化さえるタイプが主流。
    作業の難しい狭い箇所や突起物の多い平場など、または軽歩行目的でのバルコニーやベランダでの採用が多い。

実際の屋上防水層の耐久性について

耐用年数

改修を検討する際に参考となる耐用年数は、建物の立地条件や防水工法・仕様気象条件等の諸条件によって相違が出てきますので、一様に工法毎に規定するのは困難ですが、ある程度の目安になると考えられます。

簡単に言えば、漏水した時が防水耐久性の限界と言えます。
ただし、それが何年後かと言うメーカーによる明確なデータは公表されていません。

※耐用年数に関する参考指針

防水層の寿命を検討する際の指針として、通称:総プロ(旧建設省が主体となって構成された総合技術開発プロジェクト)によって作成された「建築防水の耐久性向上技術」の中での「防水層の耐用年数」では、以下の様に示されています。

  • アスファルト防水押えコンクリート仕上げ 17年
  • 露出アスファルト防水 13年
  • シート防水(ゴムシート・塩ビシート) 13~18年
  • ウレタン塗膜防水 10年

防水仕様毎による耐久性について

例えばウレタンゴム系塗膜防水は露出防水を前提として(非歩行用)の仕様であれば耐久性は10~12年、厚さが3mm(軽歩行用)の仕様であれば12~15年程度と考えられます。
またウレタンゴム塗膜防水には、表面にトップコートと呼ばれる保護塗料を塗布しており、耐久性はこの塗料の性能でも違ってきます。
トップコートは全てのメーカーが5年程度で塗り替える事を前提としています。

本来、コンンクリートはひび割れなどの欠陥がなければ漏水しないものです。
鉄筋コンクリートになぜ防水が必要なのかといえば、コンクリートはひび割れなどの欠陥が避けられないからです。
もし、ひび割れなどの欠陥が発生しなければ防水の必要性はありません。
建築基準法には防水しなければならないという規定はありません。
しかし、全ての建物で防水を施しています。
これは、誰もがコンンクリートのひび割れなどの欠陥は避けられないと考えているからです。

防水層劣化診断の必要性について

最近ではアスファルト防水が改良された改質アスファルト防水や、塩ビシートでは遮熱タイプのシート、ウレタン防水では通気絶縁工法などがありますので、この場合は一概に標準耐用年数が当てはまるとは限りません。

改修を実施する際は、劣化状況が部分的なものであって補修程度で対処できるものか、全体的な劣化で防水改修工事が必要なのかは、現地の条件や状況・経年数によって変わりますので、専門家による劣化調査を行い判断する事が望ましいでしょう。

防水層の劣化現象

保護層(押さえコンクリート)の劣化現象

補修が必要な状況

一般的にマンションでの防水仕様の多くは、アスファルト防水押さえコンクリート仕上げが代表的なものと考えられます。
この防水仕様の場合、コンクリートの下部に防水層が存在するため、直接防水層を見る事は不可能ですので、表面の押さえコンクリートの劣化状況で推測する事になります。

劣化症状のポイント

  • 漏水またはその痕跡
  • 押さえ層に破断、損傷(ひび割れ・浮き・欠損・反り)
  • パラペットの押し出し
  • 端部の損傷(ひび割れ・シールの劣化)
  • 伸縮目地の異常(とび出し・飛散・口空き)
  • 植物の繁殖

押さえコンクリートの反り返りや突き上げ等は防水層に影響を及ぼす可能性があり、植物の生育は植物根が防水層を貫通して漏水に至る危険性がありますので注意が必要です。
また、コンクリート表面に亀裂や欠損が生じていても、防水層が破断していることは少なく、漏水につながる事は少ない様です。

最近では立上り部が押さえモルタルではなく露出アスファルト防水であったり、保護ボード仕上げの場合もあります。
立ち上がりまたは平場が露出アスファルトの場合は直接防水層を確認できますので、その劣化状況によっては改修工事の必要性を検討する事になります。

  • 劣化症状のポイント1

    伸縮目地材の押し出し

  • 劣化症状のポイント2

    押えモルタル層のひび割れ

  • 劣化症状のポイント3

    モルタル保護層の凍害による剥離

  • 劣化症状のポイント4

    植物の繁殖、ドレンの詰まり

  • 劣化症状のポイント5

    凍害によるモルタル層の破壊

  • 劣化症状のポイント6

    パラペット立上がり部のひび割れ

  • 劣化症状のポイント7

    モルタル笠木のひび割れ

  • 劣化症状のポイント8

    ドレン廻りのモルタル破壊(凍害)

露出防水層の劣化現象

  • 露出防水層の劣化現象1

    アスファルトルーフィングの破断

  • 露出防水層の劣化現象2

    ルーフィングのひび割れ

  • 露出防水層の劣化現象3

    平場、パラペット取り合い部の剥れ

  • 露出防水層の劣化現象4

    パラペット立上がり部の膨れ

  • 露出防水層の劣化現象5

    ルーフィング層立上がり部の膨れ・亀裂

  • 露出防水層の劣化現象6

    ドレン廻りルーフィングのひび割れ

  • 露出防水層の劣化現象7

    勾配不良による水溜りの跡

  • 露出防水層の劣化現象8

    ハト小屋立よりルーフィングの亀裂

屋上防水工事の工程

改質アスファルトトーチ工法(既存防水層が露出防水の場合)

既存防水層がアスファルト系の露出防水の場合、改修方法として改質アスファルトルーフィングシートを用いるトーチ工法があります。
この工法は、下地処理として既存防水層の不具合箇所、例えば膨れが生じた箇所を切開し、トーチバーアーで過熱融解して貼り戻すなどの部分補修を行います。
防水層の施工は、前面に改質アスファルトルーフィングの裏面をトーチバーナーで加熱融解しながら貼り付け、既存防水層と一体化させます。
トーチ工法は、アスファルト系の貼り増しと解釈できる事から、「被せ工法」とは区別されています。

この工法の施工上のポイントは、シートジョイント(接合部)の水密性の確保です。
幅105cmのシートを10cmラップし、シートの裏側をトーチバーナーで加熱融解しながら、既存アスファルト防水層に接着させると同時にジョイントを一体化しますが、この作業は極めて熟練を要します。

劣化の状況

劣化の状況

  • 全体的に保護塗装面が紫外線で劣化
  • パラペット立上り及び平場の膨れ、亀裂
  • 勾配不良による水溜りの発生
  • パラペット上がり部分からの漏水
  • アスファルトーフィングのひび割れ、剥れ
  • 劣化の状況1

    1.高圧洗浄
    接着を妨げるホコリ、レイタンス、油などは高圧水で完全に除去してから清掃します。

  • 劣化の状況2

    2.勾配をモルタルで調整
    ドレンへの排水不良や、部分的な水溜りをモルタルで調整し、全体の勾配を調整して仕上げます。

  • 劣化の状況3

    3.プライマー塗布
    ルーフィング材の接着力強化のため、プライマーをゴムコテなどでこすり付けます。

  • 劣化の状況4

    4.膨れ補修
    部分的なルーフィングの浮き・破れ等の不良箇所は切開し、貼り戻してバーナーで熱を加え接着し補修します。

  • 劣化の状況5

    5.脱気筒の取り付け
    脱気筒を取り付け不織物を貼って補強します。補強は出隅・入り隅・パイプ廻り・ドレン廻りも同様です。(絶縁・脱気工法の場合)

  • 劣化の状況6

    6.トーチバーナーでルフィング貼り
    トーチバーナーにより改質アスファルトルーフィングシート防水材を貼る。シートの重ね幅は100mmを確保し、シート内には空気を包含しない様注意します。

  • 劣化の状況7

    7.立上がり部のルーフィング貼り
    パラペットのアゴ部分までシートを立ち上げ、平場と同様にルーフィングを貼り付けます。

  • 劣化の状況8

    8.アルミフラットバー取り付け
    端部をアルミ製のフラットバーで固定し、取り合い部分にコーキングを打ち込みます。

  • 劣化の状況9

    9.シルバーコーティング処理
    表面に付着しているゴミ・ホコリ等を除去し、トップコートを塗布して紫外線から防水層を保護します。

  • 劣化の状況10

    10.施工完了

ウレタン塗膜防水工法 (既存防水層がアファルト押えコンクリート工法の場合)

マンションの屋上やルーフバルコニーの防水層の種類に押えコンクリート防水工法があります。
この防水改修工事を行う際、一般的な工法はウレタン塗膜防水通気緩衝工法ですが、問題となるのは伸縮目地の破断防止と膨れの防止です。

この押えコンクリート防水工法の場合、躯体の上に3層になっているアスファルト防水層(厚さ3層 10.0mm 程度)があり、断熱材を貼った上に厚さ6.0cm 程度の軽量コンクリートで保護しています。
コンクリートは寒暖の差で伸縮を繰り返したり地震の影響を受け易く、防水層の立ち上を傷つけないため 3.0m毎に伸縮目地が設けられています。

改修工事の際には目地を全て撤去した後シールを再充填し、平場の下地調整を行なった上でウレタン樹脂防水材を塗ります。
押えコンクリートは水分を含むため、躯体とウレタン樹脂との間に通気を確保するためのシートを貼り、適度に脱気するため50~100㎡毎に通気塔の設置が必要です。

立上りの防水層は笠木を撤去して補強用のメッシュを貼り付け、天端まで貼り込んでからウレタン防水材を塗布します。
また、仙台では冬期間に凍害が発生してモルタル破壊が起きているケースがあり、平場は脆弱部を除去した上でモルタルを充填し、全体を平滑にして下地調整を行います。
ウレタン塗膜 平場 t=3.0mm 通気緩衝工法 (X-1工法)、立ち上がり2.0mm 密着工法 (X-2工法)。

なお、施工前に水溜りが確認された場合には、管理組合様の確認を頂いた上平場や側溝の勾配調整を行います。
また、特に漏水の原因となり易い排水ドレンには鉛製の改修用ドレンを取付けます。
平場を鉛で密着させた上で塩ビ製のパイプをドレン内に挿入します。

平場と立ち上をウレタン樹脂防水材を2回塗り、紫外線から防水層を保護するためのトップコート仕上げを行い完了します。
但し、ウレタン防水材は乾き難いので時間がかかる事と、溶剤系の材料のために臭いが発生しますので、ルーフバルコニーの施工時には窓を締めて頂く様告知や掲示が必要です。

施工の状況

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況1

    1.施工前01

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況2

    2.施工前02

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況3

    3.高圧洗浄完了

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況4

    4.伸縮目地撤去

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況5

    5.伸縮目地撤去完了

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況6

    6.凍害部除去及びモルタル充填

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況7

    7.モルタル充填

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況8

    8.伸縮目地シール充填(バックアップ材共)

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況9

    9.平場の下地調整モルタル仕上

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況10

    10.モルタル仕上げ (立上り補強メッシュ貼り付け)

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況11

    11.平場下地補修モルタル仕上げ完了

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況12

    12.改修ドレン設置(鉛製)

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況13

    13.改修ドレン廻りモルタル仕上げ

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況14

    14.通気緩衝シートボンド塗布

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況15

    15.通気緩衝シート貼り付け

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況16

    16.通気緩衝シート貼り付け完了

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況17

    17.ウレタン樹脂防水材塗布1回目

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況18

    18.パラペット立上りウレタン樹脂防水材塗布

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況19

    19.ウレタン樹脂防水材塗布1回目完了

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況20

    20.通気塔取付け及びクロス補強 (50~100㎡に1ヶ所)

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況21

    21.ウレタン樹脂防水材塗布2回目

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況22

    22.トップコート塗布(防水層を紫外線から保護)

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況23

    23.施工完了01

  • ウレタン塗膜防水工法 施工の状況24

    24.施工完了02

塩ビシート防水 機械固定式工法(既存防水層が露出防水の場合)

マンションの屋上防水改修工法の中に塩ビシート防水工法があります。
この工法は既存の防水層の種類を問わず施工が可能で、ゴムシート、改質アスファルト・ウレタン塗膜・押えコンクリートなどが改修可能です。

特徴としては絶縁シート(ポリエステル繊維補強発泡シート)が下層にあるので膨れが発生し難く、耐摩耗性・耐薬品性・耐候性があって全般的な耐久性が高い工法です。
しかも、全面改修の場合には防水保証がトップコートの塗りかえなしで10年間対応が可能です。

また、機械固定工法の場合、既存の防水層裏に雨水が廻っている様な湿潤状況や、最小限度の下地補修でも施工が可能です。
床面にドリルで穿孔して固定用のディスク板を取りつけ絶縁シートを固定し、その上に塩ビシートを溶剤溶着及び溶接棒を使った熱融器で溶接して貼り付けます。

塩ビシートの下には絶遠シートを重ねて貼りますが、これは塩ビシートに含まれる可塑剤の流失を防止するためのものであり、これが無いと塩ビシートは硬化して耐久性が低下します。

ディスク盤はビス止めにしますが、決められた設計数量の通りに取付け、その後塩ビシートを貼って行きます。
ディスクには接着剤が含まれており、シートの端部を適切に処理して全体を仕上げて行きます。
なお、この作業の際にはドリルによる騒音が発生するため、日曜や祭日は避けなければなりません。

なお、最近の塩ビシートには通気性が保たれており、施工面積にもよりますがシート下の湿気を逃がすための脱気塔は基本的に必要がありません。
塩ビシートの種類は厚さ1.5mmの非歩行用と2.0mmの軽歩行用がありますが、マンションの改修工事のケースでは1.5mmが多いです。

施工の状況

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況1

    1.施工前(既存 ゴムシート防水)

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況2

    2.ディスク取付けアンカー穴の穿孔

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況3

    3.積層鋼板取付け

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況4

    4.床面絶縁シート貼り

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況5

    5.ディス板の取付け

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況6

    6.絶縁シート貼り完了

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況7

    7.塩ビシートカット作業

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況8

    8.接合部を専用溶剤で塩ビシート溶着

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況9

    9.溶剤溶着及び熱融着で塩ビシート溶接

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況10

    10.天端までシートを貼り込み施工完了01

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況11

    11.天端までシートを貼り込み施工完了02

  • 塩ビシート防水 機械固定式工法 施工の状況12

    12.ドレン廻り施工完了

アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法

アスファルトシングルとはガラス繊維にアスファルトを染み込ませ、表面に保護の為に砂や石粒をコーティングしたものです。軽くて防水性や耐久性に優れ、錆や色褪せがないため長く美観を保つ事ができます。

シングル屋根材の耐用年数は20~30年程度と考えられますが、紫外線や風雨による経年の劣化により表面の砂が流れ、接着面からの剥がれなどが生じて美観も低下します。
軽度の劣化であればトップコートを塗って耐久性を伸ばす事も可能ですが、全面的な改修工法には既存のシングル屋根材をすべて撤去し、新規屋根材の再取付けを行う「張替え工法」と、既存の屋根材を残してその上から被せる「カバー工法」があります。

マンションの改修工事では一般的に「カバー工法」採用されますが、この工法の利点としては撤去と廃材処分にかかる費用が掛らず、作業の際には天候に左右される事が少なく工期も短縮されるという点に有ります。
「カバー工法」の場合は、軒先の屋根材と下の押さえ金物を撤去して再取付けを行い、アスファルト系の防水シートを下から貼り込んで防水処理します。
アスファルトシングル屋根材に接着剤を塗布し、下の軒先から棟に沿って上方向に釘止めして固定の後雪止めを取り付けます。
なお、屋根材が薄くて軽量の為、圧着作業が不十分だと強風でめくれたり剥がれたりする可能性があり注意が必要です。

施工の状況

  • アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法 施工の状況1

    1.施工前

  • アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法 施工の状況2

    2.軒先金物・シングル材撤去

  • アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法 施工の状況3

    3.軒先金物再取付け

  • アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法 施工の状況4

    4.防水シート貼り

  • アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法 施工の状況5

    5.シングル屋根材の接着剤塗布

  • アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法 施工の状況6

    6.シングル屋根材の釘止め

  • アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法 施工の状況7

    7.雪止めの取付け

  • アスファルトシングル葺き屋根のカバー工法 施工の状況8

    8.施工完了

防水改修工事のポイント・留意点

防水改修工事のポイント・留意点

改修工事の場合、防水端末(納まり)の問題、既存下地の問題、使用環境の問題等を多角的に考慮する必要があります。
例えば、非常に高価な防水仕様や仕上げ材料を選択したとしても、納まりの検討や下地調整をきちんとせずに施工した場合、本来の目的である「漏水をさせない機能」が不十分となる場合があるからです。

また、防水改修工事においては、防水層の更新だけでは雨漏りが止まらないケースもあります。
例えば、バルコニー軒天部のドレンと堅樋の接続部に亀裂や外れがある場合は、不良箇所の補修または、交換が必要です。

防水層の性能も大事ですが、防水層の端末(防水層が終わる部分)の納まりも大変重要になります。
防水層の末端に水が直接かからない様な雨仕舞(納まり・工夫)とする事が望ましく、場合によってはアルミ製の水切りなどの設置や、アルミ笠木の更新等の対策も考慮する必要があります。

また、雨水の排水経路であるドレン部も重要で、経年により鋳鉄製のドレンが割れたり、竪樋の外れ・ひび割れ・詰まりがないか確認が必要です。

工事施工時のチェックポイント

  • 降雨・降雪日
  • コンクリート面が充分乾燥していない時
  • プライマー塗布の状態で降雨などが予想される時
  • 防水施工後、5時間以内に降雨などが予想される時
  • 気温が5℃以下の時
  • 強風の時