初めての大規模修繕工事
大規模修繕工事に備える
大規模修繕工事という言葉は、マンションにお住まいの方ならご存知かと思いますが、その具体的な内容や進め方についてお分かりになる方は少ないのではないでしょうか。
一戸建ての住宅と異なり、マンションに住んでいるとどこか壊れたら誰かが直してくれると思いがちですが、実はそうではありません。
所有者全員で直していく必要があるのです。
建物も設備も放っておくとどんどん劣化が進んで行きます。
安全で快適な暮らしをおくる為には、劣化を抑え、定期的に手入れを行う事でマンションの資産価値を維持し、生活環境を向上させる必要があります。
劣化の中には物理的な劣化はもちろん、社会的な劣化(新しい生活環境に対応できていない)も含まれます。
また、高齢者へ対応した改修の必要性が出てくる事も少なくありません。
マンションの大規模修繕工事を検討されている管理組合様、建物のオーナー様は、「良く分からないから…」といって管理会社・コンサルタントあるいは工事業者に任せっきりにしていませんか?
分譲マンションであれば長期修繕計画をもとに行われる改修工事ですが、お客様の資産を維持する為に、修繕工事はとても大切なものです。
分かりにくい大規模修繕工事の内容
最近のマンション大規模修繕工事は、修繕設計・施工・工事監理を分ける事が多くなり、管理組合様と施工業者の間にはコンサルタントを入れるケースが多くなりました。
つまり、お互いに役割とその責任を分ける事により、工事の内容をより明確にすると同時に、最大のコストパフォーマンスを追及する事が主な目的です。
それと同時に区分所有者の合意形成を図る上での有効な手段という側面も有ります。
しかし、専門家に任せれば信頼感は増してより安心と考えられますが、あくまで工事の主体は管理組合様・オーナー様に有り、「最終的な選択あるいは決断が必要だ」という事実は変わりません。
理事会、または、修繕委員会のメンバーにその道に精通した方がいれば安心ですが、適任者が不在だったり、都合でお願い出来ないこともあり、現実的には専門家不在のなかで工事は進んで行く事も少なくない様です。
さらに、建築の専門用語も多く、普段経験する事もないマンションの大規模修繕工事ですから、一般の方がわからないのは当然です。
修繕工事の工程や中身、又は工事予算の適正な判断など、日ごろ現場に接していなければ分からない事も多いのが現実です。
まずは基礎的な知識を持つ事を意識し、より適正で合理的な判断ができるようにすることが大切です。
マンションの大規模修繕工事のタイミング
修繕の時期は一律に決められている訳ではありませんので、「築◯年だから修繕しなければならない」という認識は正しくありません。
では、いつ修繕すれば良いのでしょうか。
それは、部材の耐用年数と実際の劣化状況、そして管理組合の修繕に対する体制(資金や役員の取り組み)の状況によって変わります。
部材の耐用年数は短いものや長いものなど様々です。
例えば、外壁に塗装されている塗料は塗膜が紫外線で分解し、鉄部の保護機能が失われます。
シール材も同様で紫外線により硬化・破断・ひび割れが生じて雨水の侵入をまねきます。
また、地域差(雨・雪・凍結・高温・紫外線・排気ガス)などでも寿命が変わります。
誰にサポートを頼むのか?
業者の選択は大変重要で、その後の修繕計画全体を左右する大事な選択肢となります。
主な業者として、①管理会社 ②建築設計事務所(又はNPO法人等) ③専門工事会社 ゼネコンが挙げられます。
①管理会社
日頃の管理業務を一任している管理会社は、身近な存在である為、コンサル業務を頼みやすい点があります。
しかし、大規模修繕工事の修繕設計を行なう部署が存在するケースは一部の大手に限られており、仙台などではコンサル業務は勿論、調査・診断に対応出来ないケースも多いようです。
また、管理組合の内部事情に詳しい反面管理会社主導で計画が先に進んで行き、管理組合の意向が充分に反映されないまま修繕設計が立てられる可能性も残ります。
②建築設計事務所(又はNPO法人等)
大手の建築設計事務所でも新築工事のみで、マンション改修工事の経験と実績がなければ適切な選択肢とはいえません。
大事なのは、マンションの大規模修繕工事実績がどれだけ有るかという点です。
修繕委員会の立ち上げ段階から調査・診断及び修繕設計、業者選定のサポートから工事監理までの一連の業務が求められます。
しかし、該当する建築設計事務所は少なく、選定する際には多くの管理組合でご苦労が多いかと思われます。
③専門工事会社 ゼネコン
一般的に施工会社と設計・コンサルとは別発注になります。
しかし、比較的規模の小さい工事(50戸未満程度)では、修繕設計から施工までを専門工事店やゼネコンに発注するというケースがあります。
専門施工会社の場合には、下請けが主体のケースも有りますが、元請けとなって施工計画・施工管理・安全管理をこなす能力が求められます。
その為、元請け地元実績や評価などが重要な要素を占めています。
コンサルを入れた場合の5~7%程度のコンサル料のことも考えておかなければなりません。
発注前にチェックしておきたい4つのポイント
本当に発注してしまう前にもう一度よく考えてみるのはいかがでしょうか。
業者をお選びになる材料となるのが、提案力、施工内容、価格、対応力などです。
その際、メリットだけでなく、デメリットもあるということを前提に検討することが必要です。
ポイントは下記のようなものが挙げられます。
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会社情報や地元実績の確認
建物診断やお見積りを依頼する前に、会社情報や地元実績は必ず確認しましょう。
「どのような物件をどのくらい手がけているか」がポイントになります。物件の見学をしてみてもいいかもしれません。
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徹底的な他社比較
決定をくだしてしまう前に、もう一度他社との比較をしましょう。
1社だけでは比較のしようがありませんので、必ず複数社からお見積りを取るのがポイントです。
価格だけでなく、サービスの本質を見抜くことが求められます。 -
直接質問
書類だけでは判断できない、会社の姿勢や担当者の人柄を見てみましょう。
不明点や不安に感じることは、積極的に質問するようにしましょう。失敗のないように全てをスッキリさせることが大切です。
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保証やアフターケア等の見直し
万が一に備え、保証やアフターケアについても納得のいくまで説明を求めましょう。
また、保険加入に関しても、その根拠となるものまでの確認を徹底することが大切です。備えておいて損をするということはありません。
株式会社明和では、お客様に心からご満足いただけるような修繕工事を心掛けています。
少しでも不安があればお申し付けください。
これまでの施工内容や取り組みがお客様の参考になれば幸いです。