RC避難階段防水工事 塩ビシート貼り工法
RC避難階段の防水性低下
外部のRC(※1)避難階段は経年劣化で防水性が低下し、段裏の塗膜剥がれなどが見られる様になります。原因としては踏面・踊場のひび割れが進行して貫通し、雨水が侵入し塗膜剥がれが生じやすくなります。放置するとエフロレッセンス(※2)の流出にが起こり、美観を損なうばかりか内部鉄筋を腐食させ、爆裂などになり躯体を痛めることになります。
※1.RC…鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete)の略
※2.白華(はっか)とも言い、コンクリートやモルタルの表面部分に浮き出る白い生成物
RC避難階段 塩ビシート貼り防水工法
一般的な防水工法
踏面・蹴上・踊場のウレタン塗膜防水工法または、塩ビシート貼り工法です。コスト的にはウレタン塗膜防水工法が安いですが、防滑仕様にしても雨や降雪の際には滑りやすい事、施工にはウレタンが乾きにくく工期も長くなり、施工期間中は通行できなくなってしまい、住民の方にご不便をお掛けしてしまいます。
最近の主流
側溝・幅木をウレタン塗膜防水で仕上げ、踏面・蹴上・踊場の塩ビシート貼り工法となっています。特に、外部階段は防水性が重要視されますので、踏面・蹴上はノンスリップ一体型が主流となっています。工期が短く、シート貼り完了直後には通行が可能となります。
また、雨や降雪の際には比較的滑りにくく、高級感もあって美観は向上し明るくイメージが一新されます。
施工に際して重要な3つのポイント
1.勾配・不陸の確認及び調整
新築時の施工不良で踊場や蹴上に水溜りが無いか確認し、必要に応じてモルタルで勾配調整を行います。塩ビシートは凹凸が粗いため踊場・踏面に水が溜まりやすく、勾配不良や不陸の場合はより顕著になります。
2.モルタル浮きの補修
踏面や踊場は勾配を付けるためモルタル仕上げとなっており、浮きが生じていると貼ったシートが膨れや盛り上がる事があります。適切にエポキシ樹脂注入を行なってから塩ビシートを貼り、磁器タイルノンスリップの凹凸はモルタルで平滑にします。
3.側溝の設置
階段によっては側溝が設置されていないケースが有り、このまま塩ビシートを貼ると雨水が溜まりやすく、冬には凍結して歩行が困難で危険になることが有ります。既存の側溝・幅木はウレタン塗膜防水密着工法で仕上げますが、無い場合は塩ビシートを幅5~7cm程カットし、側溝をウレタン防水仕上げにして排水ドレンまで導きます。
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施工前
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施工完了
RC避難階段塩ビシート貼りの工程
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1.高圧洗浄
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2.モルタル浮き調査・マーキング
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3.磁器タイルノンスリップモルタル処理
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4.モルタル浮きエポキシ樹脂注入のため穿孔
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5.エポキシ樹脂注入ピン併用作業
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6.幅木・側溝のプライマー塗布
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7.ウレタン樹脂防水材を2回塗布+トップコート t=1.5~2.0mm
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8.側溝・幅木ウレタン塗膜防水完了
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9.塩ビシート貼り用接着剤を塗布
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10.ノンスリップ一体型塩ビシート貼り 踏面
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11.ノンスリップ一体型塩ビシート貼り 蹴上
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12.塩ビシート貼り完了1
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13.塩ビシート貼り完了2
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14.シート端末をシール処理(剥がれ防止)
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15.施工完了1
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16.施工完了2