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2022.01.05

タワーパーキングパレット改修工事 2022.01.06

築25年を経過するタワーパーキングパレットの発錆・腐食が激しく、今回は5年程のパレットの延命を目的とした改修工事を行いました。
東北地方では冬季間の道路に融雪剤を使用する頻度が高い為、仙台市内のマンション機械式駐車場のパレットは前輪車止め廻りは痛み進行しやすく、今回は64台の全面的な改修工事となりました。
【改修の対策】
1. 腐食箇所の補強対策
腐食して穴の開いた箇所や鉄板の薄くなった箇所は切断の撤去し、t=2.3mmのボンデ鋼板(電気亜鉛メッキ仕様)の補修材を折り曲げ加工し、前後を全溶接、側面は点溶接の上シール処理。
2. 車止めの全面交換
既存の前輪車止めは水が溜まり易い為全面撤去し、再取付け用の部材を製作し水掃けを考慮して浮かして取り付ける。
3. 塗装仕様
パレット上端さび落とし作業は3種ケレン (一部は2種ケレン)とし、腐食箇所は錆転換材を部分塗布の上全面錆止め材を塗布。
なお、3種ケレンとは発錆・腐食箇所・不良塗膜を全て電動工具で撤去し、浮いていない良好な活膜は残すことを意味します。
錆止めは密着性の良い2液型の速乾性エポキシ系錆止め+2液型ウレタン樹脂塗料(強溶剤型)2回。(下端は4種ケレン及び錆止め+部分塗装のみ)
4. パレット下端腐食箇所からの錆止め流出対策
腐食箇所はケレンの上錆転換材を塗布し、t=1.6mmのボンデ鋼板接着又はブチルテープ貼りの上シール処理。
以上の対策を盛り込んだ改修工事の仕様でしたが、施工にあたり半分の32台を臨時駐車場に移動して2期(計64台)に渡っての施工となり、2ヶ月間の工期を要する工事となりました。
問題となるのは臨時駐車場の確保ですが、敷金と毎月の駐車料金の他に空き駐車場調査・確保に伴う手数料なども発生します。(今回は1台当たり計3.0万程度)
【溶接補修の注意点】
20年以上経過するパレットは2~3回の塗替えがされている為、既存の塗膜厚が増してしまうため一見不具合はない様でもケレンすると鉄板が薄くなったり穴が空いたりするケースが頻発します。
今回の工事では予想数量に対して1.8倍の補修数量となり、結果的に塗装を含めた工事金額は25.0%の増額となりました。
その為、管理組合様には予めその旨をよく理解して頂き、必要な予備費を計上して頂く様お願いしました。
マンションの鉄部塗装工事の中でも機械式駐車場の補修塗装は最も難しい工事で、金額だけでは判断できない難しい要素が有ります。
【現状と今後の対策】
タワーパーキングのパレットの厚さはt=2.3mm(地上2~3段式パレットの場合3.2mm)で薄い為耐久性は低いと思われます。
その為、5年ごとの補修塗装を計画修繕に盛り込み、パレットの下の車に錆汁が落ちるとトラブルになり易いため、常に発錆や腐食の状況を確認する必要があります。
なお、再度の溶接による補修は耐久性・安全性の点から困難なため、次回はパレットの交換を前提とした修繕計画が必要です。
(パレットの製作及び交換は台数にもよりますが、1パレット当たり100万円程度と言われています。)
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施工前
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施工前 前輪のタイヤ積載部には水が溜まり易い
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施工前
t=2.3mmの鉄板は薄くて腐食が進みやすい。
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腐食部の補修
穴空きや鉄板の薄い箇所を撤去
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 補修用の部材
ボンデ鋼板 W400×L910を折り曲げ加工
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 補修用の部材
ボンデ鋼板 W150×L400
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補修材の溶接
成形加工した補修部材(t=2.3mm ボンデ鋼板)を溶接。(前後を全溶接し側面を点溶接の上シール処理)
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補修完了
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下端の補修
t=1.6mmのボンデ鋼板を貼り廻りをシール処理。
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ケレン3種
電動工具を使用して発錆・発錆・腐食箇所・浮いた塗膜を除去。(ケレン3種)
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 車止めの再取付け
タイヤ積載部に水が溜まらない様に浮かして取り付ける。
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 下端の補修
t=1.6mmボンデ鋼板及びブチルテープ貼り付け+シール処理。
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 塗装工程
2液型速乾性エキシ系錆止め+2液型ウレタン樹脂塗料 (共に強溶剤型)
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施工完了
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 施工完了
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施工完了
【関連サイト】 機械式駐車場塗装工事

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