新着情報

2021.11.18

屋上防水層からの漏水 塩ビシート機械固定工法 2021.05

賃貸マンションの屋上防水層からの漏水があり、調査の結果パラペット天端のL型アルミ押さえ金物とゴムシート防水層に隙間があり、パラペット天端から雨水が侵入していることが判明しました。ゴムシート防水層は耐用年数が10~15年程度と比較的短いため、今回は全面的な防水改修工事となり塩ビシート機械固定工法を提案させて頂きました。

塩ビシート防水工法は耐用年数が20~25年と比較的長く、紫外線による劣化が少ないことから定期的な保護塗装などのメンテナンスも基本的に不要で、ゴムシート防水・改質アスファルト防水・ウレタン塗膜防水にも対応する万能型の防水改修工法です。最近、マンションの修繕周期を長期化する動きが出始めていますが、多少のコストアップでも導入されるケースが多くなっています。

工法としては、膨れや漏水箇所の既存のゴムシートを撤去して下地をモルタルで平滑に仕上げ、絶縁シート(ポリエステル繊維補強発砲シート)を下層に敷いて通気性を確保します。機械固定式工法の場合は床面にドリルで穿孔して固定用のディスクを取り付けますが、作業の際には一時騒音が発生するため予め入居者様への告知は欠かせません。既存の防水層の裏に雨水が多少廻っていている様な湿潤状態や、最小限度の劣化した下地の補修でも施工が可能なため作業性もよく、最近の塩ビシートは透湿性も確保されている為脱気筒がなくても膨れにくい仕様になっています。(今回は念のため脱気筒は取付けました。)

接着剤のついたディスクに塩ビシートの上から熱融器で溶接して貼り付け、シート端部を接着剤で張り合わせて全体を仕上げて行ます。パラペットの納めは入隅部と天端部をフラットバーでビス固定し、塩ビシート端部とビス手固定したL型金物の隙間をシリコンシール充填で防水処理します。この際漏水防止のためビス頭のシールも欠かせません。また、アンテナの課題やハッチの立ち上がりのウレタン塗膜防水も必要です。

また、最も漏水の原因となりやすい排水ドレンは既存のゴムシートを一部撤去してジャバラホース付きの鉛製ドレンを差し込み、2重構造にして防水性を向上してから塩ビシートとフラットバーで固定します。ただ、ドレンの内径は既存の系よりやや小さくなるる為、ゴミ除けの目皿を取り付けますが定期的な点検を行ってごみの清掃を心掛けたほうが良いでしょう。

【関連サイト】 大規模修繕工事現場ブログ

0510koutei (18)

 

一覧はこちら