分譲マンション大規模修繕施工事例

セレーノエストヴィア震災復旧工事

セレーノエストヴィア震災復旧工事イメージ

分譲マンション大規模修繕施工事例
マンション震災復旧工事例

竣工日: 平成25年6月
発注者: セレーノエストヴィア管理組合
建物名: セレーノエストヴィア
所在地: 仙台市青葉区
構造・規模: 鉄筋コンクリート造　地上12Ｆ　1棟
築年数: 9年
総戸数: 44戸（一部損壊評価）

工事概要

施工期間　　平成25年　3月～6月
工事金額　　4,400万（消費税を含む）

工事内容

仮設工事（枠組み足場）
外壁タイル下地補修（ひび割れ・欠損）
外壁タイル張替え・浮き注入
エントランス内磁器タイル張替え
廊下外壁下地補修（ひび割れ・欠損）
開放廊下外壁塗装

バルコニー外壁塗装
エントランス内塗装
エントランスホール内大理石張り替え
駐車場アスファルト陥没補修
インターロッキング＆床タイルホ補修
タイル及びガラスクリーニング

工事に対して特に配慮した点

震災復旧工事で既に足場を架設しての調査・マーキング段階まで進んでいましたが、施工されていた業者さんの事前の予想数量と実際の調査数量との違いが予想以上に大きく、一時工事はストップとなった物件でした。
原因は、当初の予定を大幅に上回る磁器タイル浮きが確認され、施工された業者さんは全面的な張替えと判断された事にありました。

当初の張替え枚数を大幅に上回る事により実行予算の大幅な変更の必要性が生じ、結局、施工業さんへの信頼関係が失われた事により業者選定の見直しという結果になりました。
その為、新たに選定されたコンサルさんの推薦を頂いて再入札に参加させて頂き、タイル張替えの工法を浮き注入工法へ変更する提案をご了承頂き、結果的に弊社が施工させて頂く事になりました。

ここで問題となった広範囲に渡る磁器タイルの浮きですが、詳しい調査の結果陶片浮きの発生はほとんど見られず、在来工法であるエポキシ樹脂注入ピン併用工法で対処出来る事が分かりました。
この「タイルの陶片浮き」とは通常のタイルが躯体と貼付けモルタルとの間で剥離している事に対し、タイルと貼付けモルタルとの間の剥離による浮きの事を言います。

タイルの裏側には接着を促す「足」と呼ばれる3.0mm程度の凹凸模様があり、通常のエポキシ樹脂注入の場合には充分に液が入らず接着不良に繋がります。
対策としては、タイル目地ではなく各磁器タイル表面にドリル穿孔して注入する工法、又はタイルを張り替える工法が取られます。
特に、磁器タイル表面に穿孔して注入する工法は精度は高いがコストは高く、むしろ張替えの方が易くなります。
その為、前述の施工業者さんは全面的な張替えが必要と判断し、結果的にタイルの張替え数量が大幅に増えてしまって問題となりました。

しかし、調査の結果通常工法で施工が可能との判断のご了承を頂き、実行予算も当初の予算を上回るものの管理組合様のご理解を頂き、足場を架設して再度の調査・マーキングを実施しました。
タイルの浮きは建物の西面・南面に多く見られ、ひび割れは南面バルコニーの手摺壁に多く見られました。
使用したタイルは特焼きする事もなく、市販品の近似色で対応しましたが余り色違いも無く、竣工検査でも管理組合より評価を頂きました。

今回の工事は磁器タイル注入の為のドリルによる穿孔音が連続しましたが、入居者様のご理解・ご協力を頂いてスムーズに作業を進めることが出来ました。
また、理事会の皆様には度重なる打合せに積極的にご参加を頂き、これといったトラブルやクレームもなく完了しました。
入居者様及び理事会の皆様には深く御礼申し上げます。有難うございました。