最近のマンション大規模修繕工事で多く見られるバリアフリー科化対策ですが、管理組合様に共通した悩みは入居者の高齢化対策です。
今回竣工した築14年目を迎えるこの管理組合様では、このバリアフリー化対策が大きな課題の一つで、修繕委員会で何度も議論を重ねた上での施工となりました。
また、今度の震災でクローズアップされたのが廊下や階段の手摺の必要性で、実際震災時にはエレベーターがストップしてしまい、上の階にお住まいの入居者様にとっては大きな障害となりました。特に高齢者や体の不自由な方にとっては深刻で、殆ど部屋に閉じこもった生活を強いられたケースも見られました。
また、1.0cm~2.0cmほどの段差も意外と障害となり、各戸玄関扉の沓摺(くつずり 扉枠下端のSUSの板)や、エントランスのスロープとインターロッキングの段差でつまずき、実際けがを負った事例もありました。
各戸玄関沓摺の段差は塩ビ防滑シート貼りとなっているため、貼り替えに伴い撤去してのモルタルかさ上げ左官仕上げで調整します。段差2.0cm~4.0cmの段差は1.0cmへと解消されましたが、これだけの対策ですが58戸分で1袋25kgの超速乾モルタルを140袋使用しての工事です。
また、エントランススロープの改修に伴い、エントランスホール内にも取り外し式の手摺(引っ越し時の荷物の搬入・搬出対策)を設け、オートロック操作盤周りにも同様に設置しました。
また、最も利用頻度は高いと思われますが、各階のエレベーター出入り口の壁面とカゴ内にも設置し、特にカゴ内の手摺は壁側に倒れる可動式にしてスペースを確保します。なお、カゴ内に設置する場合には取り付け位置の確認が必要で、EVメンテナンス会社との確認作業が必要です。
01 廊下の手摺
02 避難階段の手摺
03 玄関扉沓摺の段差解消
04 エレベーターホール壁の手摺
05 エレベーターカゴ内の手摺 (折りたたみ式)
06 エントランスホール内の手摺(取り外し式)
07 エントランスホール内の手摺(取り外し式)
08 オートロック操作盤周りの手摺
09 避難階段1F出口の段差解消
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】
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