毎年冬によくある室内の結露に伴う漏水ですが、下の階の入居者様よりのご指摘があって漏水対策工事を実施することになりました。3年前にも上の階の漏水が有りましたが同じ症状です。
通常、サッシ内側からの結露により漏水が発生し易いのですが、南面は2重サッシになっていおりサッシ内側が結露したとしてもサッシの下端のスリットから水が排出される様になっています。
漏水の原因は上の階の寝室の床のコンクリートスラブに貫通クラックが有り、外壁内側で結露した水が下の階に流れて天井クロスに至ったものです。床スラブのひび割れはよく見られる光景ですが、このお部屋の場合南東向きのために断熱材のスタイルフオームが貼られていない為、ファンヒーターで一日中室内を暖房していることも有り、特に結露が発生しやすかったと思われます。
対策としては既存のフローリング床材を撤去し、スラブのひび割れとモルタル浮きを調査してエポキシ樹脂の注入工事を実施します。(注入は下の階の天井からも実施します)ひび割れは低圧注入工法とし、モルタル浮きがの場合にはグリスガンにより浮きが完全になくなるまで繰り返し注入を行います。
今回は漏水を完全に止めるため、浮き注入は全注(25本/㎡ 全ねじピン併用)とします。なお、注入作業は①調査・マーキング&座金+剥離シール(漏れ止めの為)②エポキシ樹脂注入③養生日③Cylinder&剥離シール撤去の計4日間を要します。
最後はフローリング床材を貼り戻し、巾木を取付けて工事は完了します。(合計7日間)その他、下の階のお部屋の天井と壁クロスの貼り替えも必要で、漏水の原因となったお部屋は入居者様の専有部の保険、スラブのひび割れ注入などは共用部が適用される保険て対応しました。
施工前
二重サッシになっていてスリットから水が排出されています。
漏水の原因となったひび割れ。
打診調査で浮きの注入ポイントをマーキングします。
ひび割れ・浮き注入マーキング完了。
φ6.0mmドリルで穿孔。
マーキング完了
座金&剥離シール充填完了
ひび割れのエポキシ樹脂低圧注入 幅 03mm以上 1.0mm未満
モルタル浮き注入(ひび割れも併用)
天井面からも同様に注入。
モルタル浮き注入(ひび割れも併用)
天井面からも同様に注入。
モルタル浮き注入完了(グリスガンによる注入)
ひび割れ・モルタル浮き注入完了。
フローリング床材。巾木の貼り戻し。(遮音等級 LL45)
床注入完了。
天井・壁クロス貼り完了。
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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