築後12年のマンションの開放廊下の手摺壁に磁器タイル剥れが発生し、管理組合様より調査の要請を受けました。調査・報告の結果補修工事の依頼を頂きましたが、剥離の原因は躯体の施工不良に起因するものと思われます。
通常、磁器タイルの剥離の場合、磁器タイルと薄塗りモルタル境界面からの剥離か、または薄塗りモルタルと打ち放しコンクリート面からの剥離に分かれます。
しかし、今回の場合は躯体コンクリート自体が顕著に剥離し、余りほかにあまり例を見ない事例でした。
原因は剥離したコンクリートに通常の骨材(砂利や砂)の他に土砂が混入しており、コンクリート強度が不足叉は膨張により剥離が生じたと考えられます。
今回の磁器タイル剥れは2F開放廊下外壁面で、通行する人が少ない場所であったのが幸いで、幸い落下による事故に至りませんでした。
磁器タイルの浮きは経年劣化で発生しますが、浮きを調査する為には打診調査叉は赤外線を使った調査などが有るものの、実際には多額の費用がかかる為殆ど行われていません。
H20.4.1に国土交通省の定期報告制度が改正されて調査の基準が明確され、分譲マンションを含む特殊建築物は10年毎に全面打診調査が追加となりました。
つまり、磁器タイル改修などの大規模修繕工事が行われていない場合、築後10年を経過した分譲マンションには外壁の調査・診断・報告が義務付けられました。
※「定期報告制度が変わります」 国土交通省
2F開放廊下手摺壁磁器タイル落下の状況
躯体の施工不良に起因するものと思われます。
磁器タイル張替え完了
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