東日本大震災によるマンションの被害は広範囲に広がっている様ですが、開放廊下やバルコニー内壁のアルミサッシ枠の歪みも典型的な被害の一つです。
サッシ枠の縦枠は内壁の著しいひび割れや欠損でくの字に歪んでしまい、サッシの錠の位置が横にずれてしまって施錠することができません。施錠ができないと防犯上の不安があり、補助錠を取り付けなどの対策が必要になってきます。
中には1.5cm位歪んでしまってサッシ枠の入隅部に隙間が生じ、隙間風やほこりなどが室内に流入して日常生活に支障をきたすケースも出てきます。入居者の方には誠に気の毒な状況です。
竣工時はサッシ枠は躯体の開口部に溶接アンカーを打ち込み、枠の金物を溶接して4方向から固定していますが、その縦・横に幅3.0cmほどの隙間が生じます。その隙間にモルタルを充填されていますが、サッシ枠の歪みを調整するためにはそのモルタルを撤去して矯正する必要があるのです。
改修方法としてはサッシ枠廻りのタイル面から5.0cm幅で縦にカッターを入れ、詰めモルタルを斫り取って溶接個所を露出させ、縦枠に5ヶ所ほど取り付けられた金物を外して矯正します。なお、縦枠のみの部材はメーカーで供給していないようです。
アルミサッシ枠は室内側の木枠がビス止めになっており、矯正する為に木枠自体を躯体にビス止めして枠を固定します。アルミサッシ枠の隙間は結露防止のためにウレタンフォームを充填します。これを怠るとサッシ枠ばかりか木枠までが結露してしまい、カビが発生して黒ずんでしまいます。
隙間にモルタルを充填して左官仕上げで角付けを行い、タイルの役物(L字型の出隅用のタイル)を貼り戻して目地も埋めます。サッシ枠とタイルの間にシールを打ち込み、最後は磁器タイル面を洗浄して完了します。
この作業中には入居者様に在宅して頂く必要があり、バルコニー側の作業の場合には足場がないと困難な作業となります。足場がないと玄関から入って何度も作業を繰り返すことになり、作業の効率が悪いばかりか入居者様に大きな負担をおかけする事になります。
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【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】
01 施工前
02 施工前
03 カッター入れ
04 斫り作業
06 モルタル撤去完了
07 金物外し完了
08 アルミサッシ枠調整
09 アルミサシ枠調整
10 ウレタンフォーム充填
11 木枠ビス止め
12 モルタル充填
13 モルタル充填
14 モルタル充填
15 墨出し
16 左官仕上げで角付け
17 シリコン樹脂接着剤塗布
18 タイル貼り
19 目地詰め (タイル貼り完了)
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