震災直後の4月から復旧工事を実施された工事が完了直前となり、今日は理事長さん・修繕委員長さん・管理会社所長さん・管理人さんと共に竣工前検査を実施しました。
このマンションは8F・127戸の仙台では比較的規模の大きな規模ですが、震災復旧工事の決断は早くて4月上旬には修繕委員会で工事着手を決断されて、4月末から開放廊下側とバルコニー側の全面的な外壁補修工事に着手しました。
早期着手の背景には、結果的に全壊扱いで外壁磁器タイル面の損傷が激しく、一部にはサッシ枠の歪みが生じて施錠ができず、枠の隙間から風や埃が室内に侵入するなど、生活面での支障が著しい状況だった点にあります。また、着工が遅れれば資材や人員の不足が懸念される為、年内中の竣工は厳しい見通しと判断された事にあります。
工期は4ヶ月間を要してようやく完了にこぎつけましたが、当初のタイル貼り替え予定数量12000枚に対し、結果的にはその数を遥かに上回る25000枚という貼り替えとなりました。今回は0.2mm未満のクラック及びタイル浮きも含まれており、管理組合さんとしては全面的な修繕を目的とした工事でした。
この間、入居者様には騒音や粉塵を伴う毎日に加え、バルコニー側のメッシュシートは暑い夏の最中、大変なご苦労があったと思います。入居者様のご理解とご協力があってこその工事で、深く感謝申し上げます。
この竣工検査で再認識したのがバルコニー隔て板周辺の障害物の多さで、火災や地震時の想定される2方向の避難路確保の問題です。築30年目位のマンションで荷物が増えるのも当然ですが、室外機やタイヤ・鉢植えや物置などが隔て板を塞ぎ、災害時には避難に支障を及ぼす事が懸念されます。
また、入居者様に隔て板と避難ハッチの目的と避難方法を確認してみると、災害時にはボードを蹴破ってバルコニーから避難し、避難ハッチから下の階に脱出する事をご存じない方も意外と多い様です。
理事長さんは今回の検査で入居者さんへの防災知識の向上の必要性を実感され、次回の防災訓練では実践的な訓練と同時に、隔て板周りの障害物除去の徹底を実施される予定です。
01 震災復旧工事の竣工検査
02 養生メッシュシートの撤去
03 バルコニー隔て板周辺の障害物 室外機
04 バルコニー隔て板周辺の障害物 タイヤ類
05 バルコニー隔て板周辺の障害物 鉢植え
06 避難ハッチ 床面
07 避難ハッチ 軒天
08 震災時の隔て板破壊の状況
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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