インターネットで見積の依頼を頂き、数社の見積もり合わせの結果ご成約を頂きこのたび着工となりました。築28年のマンションは15年ほど前に防水改修工事が行われていますが、その後保護塗装は行われていますが劣化は進行し、すでにルーフィングの耐用年数は過ぎていました。
塩ビシート防水と違って改質アスファルト防水は定期的なメンテナンスが必要で、各メーカーの仕様には5年ごとの保護塗装(シルバーコーティング)が推奨されています。しかし、あくまで紫外線からの劣化を抑制するもので、ルーフィング自体の強度や防水性の向上につながるものではありません。
調査してみると殆ど補修された形跡はなく、今のところ居室への漏水は無いようですが劣化は進み、間もなく漏水を引き起こしてもおかしくない状況にありました。平場は全体的に膨れなどは見られませんが、パラペットの立ち上がり個所の亀裂や膨れ、出隅個所の亀裂や平場ルーフィングのジョイント部の亀裂が多く見られます。
ドレン周りには勾配不良による水溜りの跡があり、ドレンを収めている周り内部のモルタルにも亀裂の可能性があり、防水性を向上する為の改修ドレンの取り付けも必要です。
防水改修工事は漏水が始まってからの場合まず漏水経路の特定が必要で、漏水を止める為の補修には大掛かりな作業を伴って改修費用は増加します。しかも騒音の発生は避けられず、音は建物全体に伝播する為作業時間帯の制限などの対策も必要です。したがって漏水に至る前の修繕が基本で、耐用年数前の定期的な点検やメンテナンスが重要です。
なお、被せ工法による防水改修工事場合には既存の防水層を撤去しない為、防水材の重量が増えることにより屋上スラブの重量が増し、2度目までの改修が限界といわれています。3回目以降は既存の防水層の撤去が必要となり、改修費用がかさむと共に工期も長くかかります。ちなみに今回平場・立ち上がり計650㎡の防水改修の為、約4.5tのアスファルトルーフィング及びプライマーなどの荷をクレーンで荷揚げしました。
01 屋上改質アスファルト防水層
02 パラペット立ち上がりヶ所の亀裂 01
03 パラペット立ち上がりヶ所の膨れ
04 アスファルトルーフィングの亀裂
05 勾配不良による水溜り
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
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