今回の機械式駐車場は2段式地下ピットタイプですが、築後13年の間にパレットの塗装は一回のみで、地下ピットのパレットは特に腐食が進行している状況です。
パレットは鉄板t=3.2mmのシングルタイプで、柱共に塗装仕上げの仕様の為錆の進行は特に早い状況でした。特に、地下のパレットは雨や雪が降ると中々乾きにくく何時も濡れている状態で、車止め周辺は特に腐食が目立ちます。仙台などでは最近冬期間に融雪剤が多用されている為、氷となって落下した後に解けて凝縮され、鉄板の腐食をより促進す様です。
補修塗装で最も大事な工程がケレン作業ですが、地下ピットの為に飛散して車に傷がつく為サンダーなどの電動工具は使えず、ハンマーとノミやマジックロンなどを使った手ケレンとなります。これは中々骨の折れる地道な作業です。
パレットにはφ12.0mm位の水抜き穴が各所に設けられていますが、これが逆効果で鉄板の上と下から同時に腐食が進み、気が付いた時には穴は拡大して鉄板も薄くなり、強度が不足して危険な状態になりかねません。
上段のパレットは問題有りませんでしたが、下の段のパレットは殆ど例外なく溶接が必要で、急遽管理組合様に追加溶接の見積書を提出させて頂いて了承を得ました。
補修用の鉄板は同じt=3.2mmの縞鋼板を使用し、タイヤ後輪の車止めは左右全て被せて溶接し、その他の穴の拡大した箇所は部分補修で対応します。溶接作業は最低2回から錆の多い箇所では4回ほど重ねる必要が有り、腐食が進んで薄くなった箇所は手間と時間がかかります。
施工前にはあまり見えないのですが、塗装面の下は1.0~2.0mm程の錆が有り、ケレンして初めてその深刻さが解るという状況で、管理組合様としても予想外というケースも少なくありません。
本来は、パレットだけでも3~5年おきの塗替えをお勧めしていますが、長期修繕計画にもない事が多くあまり注目される事はないようですが、特に地下ピットタイプの場合には注意が必要です。実際、パレットの強度不足で使用禁止となり、高額なパレットの交換に至ることはなく解体に及んだケースも有りました。
01 施工前
02 施工前
03 施工前 車止めの腐食
04 ハンマーと使ったケレン作業
05 マジックロンを使用したケレン作業
06 腐食して薄くなった鉄板
07 ケレン作業完了
08 縞鋼板の溶接作業
09 溶接作業完了
10 溶接作業完了
11 作業の状況
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
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