今回着工したマンションは震災復旧工事と共に大規模修繕工事も兼ねるため、仮設の足場はバルコニー・共用廊下及び両妻側の4面架設となります。
足場の種類には枠を組み込んでクランプで固定する「枠組み足場」」(本足場とも呼ばれる)と、パイプを縦に差し込んで繋いでからブラケットをハンマーで打撃して固定する「くさび型足場」(いわゆるピケ足場)の2種類があります。今回は広くまた作業性を重視する為にW=900の「枠組み足場を架設します。最近は比較的費用が安く、仮設に要する時間も短い「くさび型足場」も多用されるようになりましたが、通常幅はW=600が限度で狭く施工時の作業性はやや劣ります。
「くさび型足場は」もともと戸建て住宅用に多用されていた簡易的な足場ですが、最近は地上10階(高さ30m)位までのマンション大規模修繕工事などで使用されています。ただ、パイプ状の部材が多くて架設時に電動リフトが使いにくい為人海戦術となり、6F位を超える位の高さになると架設の作業性は悪くなり、また、架設する際のハンマーの打撃音が発生する点も難点と言えます。
最近の問題は工事費に占める足場費用の高騰ですが、今年は震災の影響で資材不足供給が悪くて㎡単価は上昇しており、また必要とされる量の資材を確保するのが難しい状況です。手配しても着工は2~3か月先という事は普通で、3000㎡以上となると更に手配は困難です。でも、最近は仙台市内の多くのマンションに足場が掛けられ、来春の3月頃までは震災復旧工事のピークといえそうな様子です。
足場を架設した後は飛散及び落下防止の為全体をメッシュシートで被いますが、バルコニー側では室内がやや暗くなり入居者様にはご迷惑をお掛けする事になります。最近は採光率の良い白のメッシュシートや、透視性が良くて入居者様の負担が軽減される黒のメッシュシートが主流となっています。冬の時期に太陽の光が差し込まないのはつらいところですが、ご理解とご協力をお願いします。組み上がると10Fの建物でも塔屋の部分を含めて地上36.0m位の高さとなり、登ってみると高度感があります。
この工事で重要な点の一つに外部から侵入防止対策があります。バルコニー側から各戸への侵入を防止する為昇降階段入口には扉を設け、毎日の作業終了後には施錠してシートを掛けておきます。また、入居者様のご希望応じて各戸にサッシの補助錠を貸し出し、室内側から2重のロックにして万全を期します。
01 バルコニー側足場架設
02 バルコニー側足場架設
03 バルコニー側足場架設
04 開放廊下側足場架設
05 エレベーター塔屋側足場
06 バルコニー1F側の内部
07 妻側外壁 枠組み足場
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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