今回の震災復旧工事ででは通常の大規模修繕工事と異なり、入居者様のご協力なしにはできない工事が有ります。通常の大規模修繕工事が仮設足場側から外部を施工しますが、原則的に室内に立ち入ったり粉塵などが流入することは有りません。
しかし、この度の震災復旧工事で全壊クラスの建物になると、バルコニーや開放廊下の雑壁(非耐力壁)に大きな損傷が見られ、通常のクラック注入やエポキシモルタル充填などは対処できません。壁が室内に穴が貫通して壁が破壊されていると、損傷部を除去する為の斫り作業は避けられず、室内側を事前に養生させて頂いて粉塵などが流入しない様な対策が必要です。
例えば、サッシの枠が歪んでしまい障子が閉まらない時や隙間が出来た場合、サッシ枠の歪みを調整する為にサッシ枠廻りを幅5.0cm位にカッターを入れ、躯体とサッシ枠の詰めモルタルを除去します。その際、室内側の養生がしっかりしていないと粉塵が流入してしまいます。
また、壁の貫通部廻りのコンクリートを除去する時も同様で、ボード面を残して全て除去が必要なケースも有ります。入居者様にとっては騒音も伴って大変なご迷惑ですが、作業中は一時退室して頂いての作業となります。
斫り取った後はしっかりした養生が必須で、冷たい隙間風が入らないようにプレパラートと養生テープで入念に塞ぎます。この作業で発生するコンクリートガラも多く、土嚢袋に詰めて運んだゴミ籠はすぐ一杯になってしまいます。
平日に在宅される入居者様ばかりではないので、事前にコンタクトを取って作業日時を指定させて頂きます。斫り機2台で作業するとその音はマンション全体に響き渡るため、場合によっては一時このマンションから退避される方もいらっしゃる様です。
でも、入居者様のご理解を頂きお陰様でやトラブルやクレームもなく、やや手間と時間がかかりますが作業は順調に進んでいます。
01 バルコニーサッシ建枠の斫り
02 サッシ建枠斫り完了
03 バルコニー雑壁斫り
04 バルコニー雑壁斫り完了
05 西面磁器タイル雑壁の斫り
06 西面磁器タイル壁斫り完了
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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