ー破断性の破壊が著しい雑壁は壁に大きな段差や座屈が生じてしまい、通常のエポキシモルタルや樹脂モルタルでの補修は出来ません。破壊された箇所は全て斫り取り、新たな壁を作り直さなければなりません。
ここで行われるのがグラウト充填工法ですが、これは学校などで行われている耐震補強工事の際に採用されている工法と同じです。耐震化の為に耐力壁を増設する際も、同様に型枠を組んでグラウト材を充填します。
グラウト材とは流動性の有る特殊なセメント系無収縮モルタルで、細骨材と結合剤(セメント+特殊混和材)と1:1重量比で混合下プレミックスタイプの材料です。この材料は高い流動性が有り、無収縮・早強性・高強度という特性を持っています。充填してからすぐ硬化が始まり、3~4日後には型枠を解体する事も可能です。
型枠に圧力がかかってノロの流出が起こりやすい為、事前に発泡ウレタンで隙間を入念に塞ぎ、グラウト材を隅々に充填させる為に型枠をハンマーで打撃し、空気溜りを残さず様充填を確認しながら作業を進めます。
型枠の下端に大きな圧力がかかり過ぎると破裂することもある為、充填の様子を確認しながら慎重に進めます。特に入隅部や配管廻りは充填が難しい為、場合によっては作業を一時中断しながらとなります。
型枠を解体した後は段差や不陸が残る為、モルタルで補修した後で左官仕上げでモルタル薄塗りをして作業は完了します。
【使用材料】
「太平洋プレユーロックス」 太平洋マテリアル㈱
01 発泡ウレタン充填
02 グラウト材
03 グラウ材機械練り混ぜ
04 専用ポンプで圧送
05 型枠へグラウト材を充填
06 ハンマーで打撃してくまなく充填
07 型枠解体
08 サッシ枠廻り入隅部下端
09 サッシ枠廻り入隅部上端
10 室内側冷媒配管廻り
11 室内側雑壁側
12 モルタル仕上げ
13 施工完了
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