この寒い時期になると良くあるのが室内の結露による下の階の部屋の漏水問題です。マンションではファンヒーターなどによって暖房されている部屋が多いですが、室内は湿気がこもってガラスやサッシの枠に多量の水滴が付着して床に流れます。老朽化したマンションでは結露水が床に流れ、コンクリートスラブへと運ばれて広がり、ここにひび割れがあると下の階に漏水が生じます。
漏水の原因は当初サッシ枠と躯体に隙間が生じた為、外部から雨水侵入して漏水が発生したと思われ、サッシ枠4方向のカバー工法で改修してシール処理を行いましたが、結局漏水は止まらず室内の結露による漏水の可能性が考えられました。その後、寝室の直貼り床のカーペットを剥がしてみると数多くのひび割れが確認され、幅は0.3mm未満のヘアークラックから0.5 mm位の幅広いひび割れが有ります。
コンクリートスラブの乾燥収縮ばかりではなく、震災によるひび割れと思われます。床のサッシ枠廻りのひび割れと共にスラブのモルタル浮きも広範囲に見られ、これが水道となって広範囲に漏水が進んだ様です。
対応策は、0.3mm~1.0mmのひび割れをエポキシ樹脂低圧注入を行い、1.0mm以上は高粘度エポキシ樹脂をガンで注入し、モルタル浮きはアンカーピンニング工法で押さえます。更に防水モルタルで平滑仕上を行います。
01 寝室天井面からの漏水
02 寝室床面の状況
03 床スラブのひび割れ
04 サッシ周りスラブのひび割れ
05 ひび割れ 注入用ドリル穿孔(集塵機併用)
06 ひび割れ エポキシ樹脂低圧注入 幅0.3mm以上 1.0 mm未満
07 モルタル浮き エポキシ樹脂高粘度注入
08 防水モルタル塗り t=3
関連サイト「マンション修繕工事サイト仙台」
https://www.meiwa-renewal.jp/index.html
【仙台で外壁改修、塗装、防水、震災復旧工事を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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