震災後2年が経過し、仙台市内のマンション震災復旧工事もピーク時を過ぎたようにも思われますが、それぞれの事情によりまだ着手されない管理組合様もあります。仙台市の全壊評価や大規模半壊クラスのマンションはほとんど完了しているようですが、一部損又は半壊評価の物件には未着工の物件がまだ有ると思われます。
今回着工させて頂いた管理組合様は一部損の評価ですが、調査診断は済んでいましたが施工業者の選定が遅れ、弊社へご指名を頂きようやく着工の運びとなりました。築後7年を経過するマンションの為大規模修繕工事を兼ねる必然性はなく、外壁タイルの補修及び廊下・バルコニー・階段室の吹き付け塗装面の補修に限定した震災復旧工事です。
着工に当たり、最初に着手するのが足場の架設工事ですが、建物が12階の為簡易的な「くさび型足場」いわゆる「ピケ足場」は使用できず、「枠組み足場」と呼ばれる本足場を使用します。この違いは、「くさび型足場」はくさび状になっている部材の連結部をハンマーで叩きこんで固定する方法ですが、「枠組み足場」は枠型に出来ている縦の部材の連結パイプを差し込んでクランプで固定する方法です。
前者の場合は比較的強度が低い為と作業性の問題有る為、11階を超える高い建物には向いていません。なお、「くさび型足場」の場合には作業用の床の幅が60cmに限定されますが、「枠組み足場」の場合には90cmや120cm等があります。一般的にマンション大規模修繕工事などでは60cm幅の「くさび型足場」が多用されています。
足場の架設作業で特に重要なのが安全性の確保で、作業者は勿論ですが、何よりも入居者様の安全確保が重要視されます。その為、架設や解体時には歩行者の安全通路を確保し、誘導員を配置して落下や接触による事故を未然に防止します。
また、足場周辺には入居者様又は不特定の歩行者の通行の安全を確保する為、落下防止用の「朝顔」という防護パネルを取付け、スロープ等の出口廻りは天井をコンパネで養生して安全を確保します。
足場の架設が終了すると全面をメッシュシートで養生しますが、作業中の落下物や飛散の防止及び作業員の安全確保の為の措置です。今回使用した白のメッシュシートの場合生地が薄い為、採光率は80%以上は確保されますのでカーテンクロスと比べても明るい状況です。
高圧線が足場に3.0m以上接近している場合には高圧線やトランスの養生が必要です。
不特定の歩行者が通行する箇所落下防止対策のため「朝顔」で養生します。
入居者様が通行する開口部廻りはコンパネで養生します。
仮設昇降階段を設置しながら足場を組んで行きます。(枠組み足場 W=600)
外壁にメタルアンカーを打設して「壁つなぎ」を取りながら組んで行きます。
資材置場廻りの安全通路を確保し、誘導員を配置して歩行者・車を誘導します。
足場が組み上がると全面をメッシュシートで養生します。
関連サイト「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水、震災復旧工事を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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