昨年末の震災復旧工事でバルコニーの外壁タイル補修を行った際、軒天部からの漏水が見られたため補修工事を行った。4世帯のバルコニー軒天の壁際からのエフロの流出が止まらず、調査を行った所バルコニー床面に広範囲なモルタル浮きが見られ、浮き注入を伴うウレタン塗膜防水となった。
漏水箇所は避難ハッチ横の排水ドレン廻りとサッシの下端廻りにも発生し、床面・排水口・巾木に加え、ドレン廻りのウレタン防水を行った。12年前の大規模修繕工事でウレタン塗膜防水を行なっているが、通常、バルコニーのドレンの改修は行われない。新築時に不適正な取付けが行われたようでスペースがなく、目皿を外してドレン内部奥までウレタンを塗り込んだ。
床面は一戸当たり4㎡ほどのモルタル浮きが見られ、エポキシ樹脂ピン併用注入で押さえてウレタン塗膜防水を行っして防滑仕様とした。補強のため床面には全面メッシュを敷き込み、ウレタン2回塗りの後防滑の為のゴムチップを混入してトップコート仕上げを行う。漏水した軒天部は浮いた塗膜を除去し、膨れを防止するための通気性の有る軒天専用塗料でタッチアップ仕上げとした。
なお、今回4世帯を施工したが、室内の結露が原因で下の階に漏水する可能性も捨てきれず、今回の処置で漏水が止まらなかった場合には居室内の床組を解体し、床面のクラックをエポキシ樹脂注入で補修する必要があります。施工にあたっては入居者に負担がかかるため、一旦状況を見てからの判断となります。
軒天部の漏水
ドリで穿孔
グリスガンでエポキシ樹脂を注入
注入完了
ステンレスピンの挿入
ステンレスピン挿入
床全面をカチオンフィーラー塗布(密着性の強化)
メッシュシートの敷き込み(強度確保)
ウレタン樹脂2回塗りのトップコート仕上げ
ドレンの目皿を撤去
ドレン内部までウレタン樹脂を塗布
施工完了
施工完了
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