ネットから屋上からの漏水が止まらいというお電話を頂き、翌日RC3階建のアパートの調査にお伺いしました。最上階の部屋の内部は以前から漏水がが止まらず、クロスやボードが剥がれてカビが発し天井には漏水跡のシミが付着して汚れていました。
入居者が退去した為全面クロス貼りを行うに当たり、漏水を止める事必要で、お客様から弊社に御相談頂いたという次第です。実は、6年前に工務店さんに頼んで屋上を全面改質アスファルトしたのですが、現在はその業者さんもなくなってしまい、全面的な防水工事を行った場合の一般的な10年保証も有りません。
屋上を詳しく調査した結果、パラペット周りには砂が付着しており、多量に雨が降った時にドレンからの排水が追いつかず、水が溜まってプールの様な状況になったと思われます。築37年になるこの建物のパラペットの高さが10.0cm位しか有りません。漏水の原因はパラペット立上りのシール切れ及び、ポンプ室の金属板と防水層取合いのシール切れと判断し、早速見積書を提出して補修に取り掛かりました。
基本的な問題は、以前の業者さんが施工の際にアルミ笠木を外さないで施工した模様で、通常は平場から立ち上がり・天端まで防水シートを張り込むはずですが、笠木の下まで防水層を立ち上げたのみで、簡単なシール処理を行なった後にアルミフラットバーで抑えた状況になっています。
しかし、フラットバーはプラグアンカーで押さえられていますが、パレペットの脆弱化で抜けている箇所が多数見られ、当然シールも切れて雨水が建物に侵入しているという状態でした。
補修作業はアルミ笠木を外して押え金物を全て撤去し、シートのジョイント部を常温アスファルト防水材で塞ぎ、ポンプ室防水層取合いと排水ドレン廻りも同じく処理します。
最後に、シルバー色のトップコート剤を塗布して工事は完了します。3日後の降雨の際の漏水がないことを確認し、お客様に施工の完了を報告しました。
漏水は殆どが屋上階の部屋で発生しますが、パラペットや排水ドレン廻りの不具合が多くを占めています。防水改修工事を施工される場合には必ず笠木を撤去し、防水シートを平場からパラペット天端まで張り込む仕様になっている事を事前に確認する必要があります。
また、改質アスファルト・塩ビシートなどは全面改修の場合には施工業者に10年保証を確約させることも重要です。なお、ウレタン塗膜防水工法の場合は5年保証が一般的です。
屋上からの漏水のよる3Fの部屋内部
6年前に防水工事を行ったはずの屋上防水層
排水ドレン廻りのアスファルト防水層切れによる漏水
機械室金属板とアスファルト防水層取合いのシール切れ
パラペットアルミ笠木を外す
フラットバーを外してみると防水層のジョイント部が有り、シールが切れて漏水している。
ジョイント部を常温アスファルト防水材で止水処理
排水ドレン廻りはメッシュ補強して常温アスファルト防水
常温アスファルト防水完了
縦樋取合い廻りをシール処理
ポンプ室金属板取合いも常温アスファルト防水
トップコート 主剤&硬化剤(水性)
トップコート塗布
トップコート塗布完了 施工完了
関連サイト「マンション修繕工事サイト仙台」
https://www.meiwa-renewal.jp/index.html
【仙台で外壁改修、塗装、防水、震災復旧工事を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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