マンション大規模修繕工事で最初に着手する工事にシーリングの打替え作業があります。対象となるのは外壁打継ぎ目地・タイル打継ぎ目地や、バルコニーや共用廊下の鋼製建具(防火扉・玄関扉・パイプシャフト)サッシ廻りのシールが有ります。
基本的には紫外線の劣化に伴う打替えを行いますが、特に、外壁面やバルコニー側のサッシ廻りなどは特に紫外線による劣化が進行しやすく、放置するとシール材の硬化やひび割れ・破断や剥離に進行して漏水の原因となります。
通常、シーリング材の耐用年数は外部では8年~10前後とも言われますが、シール材が露出しているタイル目地などは特に劣化が早まります。シール材の上に塗装がされているサッシ廻りや鋼製建具・外壁打継ぎ目地などは、塗膜によって保護されているので比較的劣化しにくいとも言えますが、南面で紫外線が当たり易い為バルコニー側は劣化が早まります。
シール打替えの他に上掛け(被せ工法)も有りますが、打ち替えの場合厚さが10.0mm以上付きますが、上掛けの場合厚さが2.0mm程度しか付かない為耐用年数は短く、剥離が破断が進行し易いのでお勧めは出来ません。
耐用年数は塗膜のと比べて同等又はそれ以下の耐久性のため、12年毎位に行われる大規模修繕工事では必須の作業項目となっています。特に「雨掛かり部」と言われる外部に直接面した外部サッシ廻りなどは漏水の発生が特に多い部位です。
シール材はいろんな種類が有りますが、シール材に塗装が載る「変性シリコン」が一般的に使用されます。時々、ホームセンターで売っているシリコン樹脂(半透明)でシール処理しているケースが見られますが、実はこれが塗装屋さん泣かせのシロモノです。シリコン樹脂系シール材は価格も安いため多用されやすいですが、塗装が載らない事とシール材に含まれる「柔らかさを保たせるための可塑剤」が塗膜を汚染し、シールした箇所がミミズ腫れの様に浮き上がってしまって美観を損ないます。
また、一旦打ち込まれたシリコン系のシール材は撤去が困難で、塗装後にもシールの跡や段差やが残ったりして綺麗に仕上がりません。特に、凹凸のパターンが有る吹付けタイル面や吹付けリシン面などは修復が困難です。応急的な処置が必要でシール材を打つ場合には、多少高価(ホームセンターで1本@580位)ですが、変成シリコンを選んで下さい。
施工前
カッター入れ
既存シール材撤去
プライマー塗布
変成シリコン打ち込み
ヘラ抑え
施工完了
関連サイト「マンション修繕工事サイト仙台」
https://www.meiwa-renewal.jp/index.html
【仙台で外壁改修、塗装、防水、震災復旧工事を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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