築年数の経過したアパートや賃貸マンションなどは、長期的な修繕計画が立てられていないケースが多いため漏水による補修工事が発生しやすくなります。本来、漏水が始まる前の定期的な点検と調査及び補修が理想的ですが、管理会社に任せっきりになると手遅れになり漏水に至るケースが多いようです。
今回の漏水はルーフバルコニーから下の階のコンビニエンスストアーとコインランドリーの天井に漏水が有り、お客様が入る場所の為に防水改修工事を施すことになりました。
平場のゴムシート防水層には部分的な補修の跡が有りましたが、北面・西面などでは冬期間に雪や水が残って劣化が進みやすく張り合わせの部分は剥がれ、外壁との取合い箇所のシール箇所は劣化して隙間が生じています。また、4Fのアスファルト押えコンクリート仕上げの笠木やハト小屋は凍害でコンクリートが破壊され、モルタルの仕上げ層がひび割れや剥離が生じています。
改修工法はウレタン塗膜防水改修工法になりますが、平場のゴムシートの不良箇所は撤去して補修し、プライマーを塗ってから補強メッシュを敷いてウレタン樹脂を2回塗ります。立上りはパラペットの顎の部分まで立ち上げ、手摺り取合いの笠木まで塗りこんでからトップコート仕上げをします。
4階のアスファルト押えコンクリート仕上げ部分は平場の伸縮目地を撤去してシールを打替え、密着を強化するためのカチオン系に下地処理剤で平場・立上り全面を扱きます。プライマーを塗布してウレタン塗膜の膨れを防止する為の通気緩衝シートを敷き込み、ウレタン樹脂を2回塗り込んでトップコート仕上げを行います。その際、通気緩衝シートからの空気を逃がすための脱気筒を取り付けます。
凍害で傷んだ笠木やハト小屋は撤去してカチオン仕上げの後モルタル左官仕上げを行い、パラペットと同様にウレタン塗膜密着工法でウレタンを2回塗ってトップコート仕上げとします。
ウレタン塗膜防水改修工法で全面改修を行なった場合は5年間の保証が付くのが一般的です。(漏水・剥がれ・膨れ)
施工前 ゴムシート防水層
施工前 ゴムシートの亀裂及び剥がれ
4階 施工前 アスファルト押えコンクリート仕上げ
施工前 凍害によるパラペット笠木のモルタル破壊
施工前 伸縮目地の押し出し
施工前 凍害によるハト小屋もモルタル破壊
補強メッシュを貼り込んでウレタン樹脂を2回塗布
立上りは顎の部分まで塗りこむ。
トップコート仕上げの後施行完了
伸縮目地シールの打替え完了
モルタル補修の後カチオンでしごいてモルタルで成形
施行完了
施行完了
脱気筒の取り付け完了
施行完了
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
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