築36年以上経過する賃貸マンションの外壁改修工事が着工し、足場の架設が完了して調査・マーキングが先行して行われました。この建物は震災復旧工事が行われいない為その当時の状況のままで、外壁には顕著な欠損や鉄筋爆裂・ひび割れ・モルタル浮きが確認されました。
下地の補修数量は足場を架設後の調査で実数を把握し、見積書の予想数量との増減数量を確定して金額を算出します。最終的な補修金額を確定して初めて下地補修工事に着手します。
この賃マンションは36年前に竣工した建物ですが、外壁の仕上げが「スタッコ仕上げ」と呼ばれる凹凸の多い独特な仕上げ面で、現在では殆ど行われていない古い工法です。建物の外壁などの表面にセメントモルタルを特殊なコテで塗り付けたり、モルタルや合成樹脂を吹き付けた後、塗装面が柔らかいうちにローラーで押さえるなどして、表面を粗面(凹凸のある状態)に仕上げるやり方です。
震災による欠損や経年劣化による爆裂は数打多く見られ、通常の下地補修の方法では対応が出来ないため、多き欠損部は型枠を設置てポリマーセメントで復旧します。この際、上端面にはモルタル落下防止用のアンカーピンを打設し、鉄筋には棒部ペーストを塗布しておきます。
型枠撤去後の仕上げ面にパターンを戻す為、鎖骨ローラーにベースをタップリ付けてパターンを戻し、その後ローラーで頭を押さえてスタッコ調の仕上げとします。現在、吹付けでスタッコを仕上げに戻すことは困難な為、出来るだけ目立たない様なパターンとなります。
他にひび割れのエポキシ樹脂注入や摺り込み作業を行い、微細なひび割れに追従する微弾性フィーラー(下塗り材)を塗布し、水性シリコンの仕上げ材を2回塗りして仕上げます。

















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