5年前、震災直後に震災復旧工事を施工した管理組合様よりご指名を頂き、当時未着工だったエントランス側外壁の改修工事を着工しました。
外壁は各階EVホール側の壁でサッシなどの開口部が多く、雑壁には地震特有のX型の破断性クラックが各所に見られます。サッシ廻りのゴムパッキンを交換したにも漏水が止まらず、今回の外壁タイル補修とシールの打替えを目的に着工となりました。
仙台市内ではマンションの震災復旧工事は殆ど済んでいるる様な状況ですが、一部の分譲マンションや賃貸マンションでは未だに未着工で、そのまま放置されていてひび割れの拡大やエフロの流出などな見られます。
外壁の雨掛かり箇所ではタイルの幅0.2mm未満のひび割れでも雨水が進入する事によって広がり、貫通したひび割れの見られる壁では漏水に至るケースも有ります。
また、大規模修繕工事後に震災にあったケースでは、タイル浮き注入を行ったはずが浮いている事も有ります。可能性としては挙動による原因も考えられますが、以前大規模修繕工事を行った業者さんが、タイルの全中(㎡当り25本のピン注入)をせず部分注入(㎡当り16本程度)となっている可能性も有ります。
外壁タイル浮き注入の場合は一般的に全注が原則ですが、設計仕様により部分注入だったり、施工段階で不適切な施工がされた事も考えられます。
竣工検査の際には管理組合様立会いの足場解体前検査が有りますが、タイルのひび割れ・欠損の為の張替えはともかく、浮き注入の確認を全て確認することは容易では有りません。
信頼できる工事監理を行なうコンサルさんや、実績・経験の豊富な施工業者さんを選択することがポイントとなります。


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