大規模修繕工事修繕工事では仮設足場工事が完了するとすぐに外壁の調査・マーキング作業に取り掛かります。調査の範囲は磁器タイル面・吹付けタイル面・バルコニーや共用廊下の壁・天井・床面・階段室の壁・踏面・蹴上・踊場・上裏・エントランス内壁・天井等が対象となります。
今回の管理組合様は3年前に震災復旧工事を施工させて頂いていますので、施工の済んでいる共用廊下・階段室・塔屋外壁は殆ど損傷は見られません。しかし、施工範囲外のバルコニーの外壁・手摺壁及び両妻側外壁にはひび割れ・欠損・タイル浮きが見られ、特にバルコニー手摺壁の外壁との取り合い部にはスリットが入っていない為顕著な欠損が見られます。
また、バルコニーの開口部の入隅部や床との取合いに震災特有の欠損が見られます。ここで欠損とすべき箇所をひび割れと判断してしまうと補修は注入又は摺り込みのみとなり、浮いた箇所は処置されないため適正な下地補修とはいえません。
この点は良くゼネコンさんなどの失敗例によく見られるケースで、診断する人の熟練度に問題があると思われます。また、欠損の場合指定の大きさに沿って斫り取りますが、その斫りの程度によってエポキシ樹脂モルタルの充填量にばらつきが生じ、少ない場合は施工の品質が低下してきます。
施工の品質を保つ為の重要な点は適正な調査・マーキングがなされているかどうかと、施工後の下地補修検査をしっかり行なう事に有ります。この点が疎かになると工事全体の施工品質の低下を招き、建物の耐久性に影響を与える重要なポイントです。
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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