良く言われる大規模修繕のタイミングは、あくまでも目安です。例えば屋上の防水は10~15年。外壁は10~12年。スチールの部材なら3~5年が、リニューアルを行うタイミングとされています。
でもこれは、あくまでも目安にしか過ぎません。築年数が同じでも、立地や気候条件などで建物の状態は大きく変わります。大切なのは、いまどんな状態であるかを把握することです。はじめに調査・診断を行い、その結果を基に修繕設計を行うのはその為で建物の状態がわからなければ、工事範囲を決められず、見積りもつくることができません。
大手の管理会社に修繕設計部の有る場合には、マンションの劣化状の内容を無視して築10年目位からの大規模修繕工事を推奨する場合がある様です。確かに、鉄部や屋上防水層に著しい劣化が生じて不具合が発生する事は避けるべきですが、画一的な修繕設計でしかも劣化の状態を無視するような修繕時期の設定、或いは実情に合わないオーバースペックの仕様などは適切では有りません。
管理組合の中にその筋の専門家がいれば問題有りませんが、多くの場合は素人の皆さんのばかりというケースが大半です。その為、大規模修繕工事の経験・実績の豊富なコンサルタントや、日頃付き合いのある信頼のできる専門業者に調査・診断を依頼されることが最良です。しかし、実際のところはこの時点での業者の選定が難しいのが実情です。
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■マンション修繕 工事アドバイザー
マンション管理組合様、賃貸マンションなどのビルオーナー様のお客様担当をさせて頂いています。大規模修繕工事の外壁調査・診断から、外壁改修・塗装・防水・金物工事などの工事もお気軽にご相談下さい。
資格:一級建築施工管理技士(監理技術者)・マンション維持修繕技術者・マンション改修施工・管理業務主任者

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