屋上塩ビシート防水改修工事 2024.05.30

築31年のマンションで15年前の大規模修繕工事の際に全面改修した屋上の塩ビシート防水層ですが、経年劣化によるシートジョイント部の破断及び立上り入り隅部のシートの剥離が顕著となり、第2回目の大規模修繕工事で全面改修を行う事になりました。

屋上の塩ビシート防水は一般的にはディスクを取り付けてシートを貼る機械式固定工法が一般的ですが、ディスの取り付け間隔(600mmが標準)のピッチ又は取付け間隔によって強度に差が出るようです。特に風が強い場所では通気緩衝シートが風で煽られて動き易く、その環境により取付け間隔やピッチ数を調整した方が良いでしょう。今回の現場では沿岸部に近く強風が日常的の為、平場と立上りシート廻りにアルミフラットバーを取り付けて強度をアップして対応しました。

屋上防水には安価な塩ビシート密着工法も有りますが、通気緩衝シートが無くスラブに塩ビシートが密着しており、地震による動きに追従が出来なくなるとシートの亀裂や破断が起こり易く、脱気筒もない為通気が不十分の場合には膨れや剥がれの恐れが有ります。その為、面積の少ないバルコニーや狭い箇所には有効ですが、屋上防水平場の様な広い箇所には適していません。

また、立上り高さが極端に少ない場合を除き、アルミ笠木は撤去の上立上り天端まで防水シートを貼るのが基本です。塩ビシート防水は15~20年と比較的耐久性は高いと言われていますが、マンションの立地条件・環境や施工方法により耐久性は異なると考えた方が良いでしょう。

0419sekoumae (17)
施工前

0419sekoumae (16)
塩ビシートジョイント部の破断

0419sekoumae (15)
シートジョイント部の剥がれ

0419sekoumae (19)
立上り塩ビシートの剥離

RIMG3691
補強用アルミフラットバーの取り付け

RIMG3664
補強用アルミフラットバーの取り付け

RIMG3745
ディスクアンカーの取り付け 標準600mmピッチ

RIMG3629
立がりアルミフラットバーの取り付け

RIMG3705
通気緩衝シート貼り

RIMG3800
塩ビシート貼り

RIMG3815
アンカーディスクにシートを溶着

0514kanryou (6)
施工完了

 

 

The following two tabs change content below.
坂野宏三
■マンション修繕 工事アドバイザー マンション管理組合様、賃貸マンションなどのビルオーナー様のお客様担当をさせて頂いています。大規模修繕工事の外壁調査・診断から、外壁改修・塗装・防水・金物工事などの工事もお気軽にご相談下さい。 資格:一級建築施工管理技士(監理技術者)・マンション維持修繕技術者・マンション改修施工・管理業務主任者

マンションの大規模修繕工事なら、株式会社明和にお気軽にお問い合わせください。

0120-085-345 受付時間  8:30 - 18:00(月曜〜土曜) 0120-085-345 受付時間  8:30 - 18:00(月曜〜土曜)
  • 無料見積りお申込み
  • 建物診断お申し込み
  • 無料資料請求・ご相談