マンションのバルコニーや共用廊下の床面は、コンクリートの乾燥・収縮や挙動によりひび割れが生じやすくなります。施工ヶ所のよって発生のバラつきは見られますが、この現象は経年の劣化現象で打ち放しコンクリートの場合避ける事は出来ません。
ひび割れの幅によって補修の工法は異なりますが、大規模修繕工事の補修仕様については、0.2mm未満はシール擦り込み工法、0.2mm以上1.0mm未満はエポキシ樹脂低圧注入工法、1.0mm以上はUカットシール工法となっています。
最初は微細なひび割れでも次第に幅は拡大し、やがて幅は1.0mm以上開いて炭酸ガスや雨水が浸入し、コンクリートの中性化が進行して内部の鉄筋が腐食し、爆裂を引き起こします。また、このまま放置すると進行したひび割れは床を貫通して漏水に至り、下の階の天井からエフロレッセンスが発生します。
バルコニーや共用廊下床の防水性低下と躯体の耐久性低下を伴い、美観を損うと共に資産価値の低下にも繋がりかねません。基本的には漏水や爆裂に至る前の早めの補修が必要です。しかし、バルコニー側は足場が無いと施工は困難で、殆どの場合は大規模修繕工事の施工対象となっています。
ひび割れが幅1.0mm以上になると常に挙動が加わる為、エポキシ樹脂低圧注入工法では押えきれ無い為、動きに対応するUカットシール工法で補修を行います。
この工法は①床面をディスクサンダーで幅1.0cm深さ1.0cm位にUの字にカット。②清掃してプライマーを塗布。③シールの打ち込み。④モルタルで表面処理。の順に施工します。
ここで問題になるのがUカット処理のときの粉塵対策で、多量に排出される粉塵をバキュームクリーナーを使用して吸い込みます。しかし、完全に飛散を防止する事は困難で、施工後には床廻りの清掃が欠かせません。
また、シール打ち込みの後にはモルタルで表面処理を行いますが、これはシール材は紫外線の影響でやがて痩せて凹んでしまう為の処置です。
Uカット処理 (バキューム付きのディスクサンダーを使用)
清掃及びプライマーの塗布(接着力強化の為)
シール材の打ち込み(変性シリコン)
シール材乾燥後にポリマーセメントモルタルで表面処理して平滑に仕上げる
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


最新記事 by 坂野宏三 (全て見る)
- 屋上防水工事 改質アスファルトトーチ工法 2024.11.25 - 2024年11月27日
- 屋上塩ビシート防水改修工事 2024.05.30 - 2024年5月30日
- エントランス前スロープ設置・自動扉改修 2024.05.13 - 2024年5月13日
- 機械式駐車場パレット補修塗装のポイント - 2023年12月22日
- マンション建て替え円滑化 多数決の緩和案提示(法務省) 2023.06.19 - 2023年6月19日