鉄骨階段の踏面・踊場はモルタル仕上げの場合には防水処理がされいない事が多く、築後10年位過ぎるとモルタルの劣化から漏水などの問題が発生する事が有ります。錆や腐食の進行と共に鉄板に孔が空き、段裏などには錆汁やエフロレッセンスなどが発生するケースも有ります。
原因はモルタル自体の防水機能が無い事と、鉄骨とコンクリートの取合からの雨水が浸入し、コンクリートと段裏鉄板との隙間に水が廻り、やがて鉄板を腐食させて孔が開いて錆汁が発生します。美観を損ねるばかりでなく鉄板の腐食を早め、鉄骨階段全体の劣化へと繋がって行きます。
強いアルカリ水は特に鉄板の腐食を促進する為、踊場・踏面・蹴上げの防水対策が必要になります。改修工法としてはウレタン塗膜防水工法とノンスリップ一体型塩ビシート貼り工法などが有りますが、ウレタン塗膜防水の場合には踏面や踊場などで膨れが発生するケースが有ります。また、踏面の出隅部分にはノンスリップ金物を付けないと磨耗し易く、耐久性ではノンスリップ一体型塩ビシート貼り工法より短いと思われます。
ノンスリップ一体型塩ビシート貼り工法は踏面と蹴上げ・ノンスリップが一体になった塩ビ製の部材で、一段毎にエポキシ系の接着剤で貼って行き、シートの端部はシールして防水処理します。
なお、踏面や踊場は事前に下地調整を行って平滑にする必要があり、カチオン型のフーラーで仕上げておきます。防水性に優れて膨れなどの発生も少なく、美観的の向上と共に鉄骨階段特有な歩行時のコツコツ音も軽減されます。
施工前
施工前 段裏の発錆・腐食
一体型塩ビシートのカット及び接着剤塗布
塩ビシートの張り込み01
塩ビシートの張り込み02
端末のシール処理
施工完了01
施工完了02
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