マンションやアパートのRC避難階段は踊場や踏面がモルタル仕上げとなっています。新築当初は問題ありませんが経年の劣化が生じ、ひび割れやモルタル浮きが発生してコンクリートを貫通し、やがて上裏などの塗膜剥離やエフロレッセンスを伴った漏水に繋がることがあります。
大規模修繕工事の際には改修項目に入っている事が多いのですが、代表的なものでは「防滑塩ビ防滑シート貼り工法」「ウレタン塗膜防水工法」などがあります。
階段の防水工事を行う上で最も問題となるのは施工の際通行止めとなる点で、入居者がいる共同住宅の場合はより短時間で施工が完了し、出来るだけ入居者様に不便をお掛けしない事が重要です。
その為、3回くらいの塗り工程が必要な工法には難が有り、施工する上でも乾きが遅くて溶剤臭が発生する事もネックとなります。しかも、雨が降ったり薄く雪が積もったりすると大変に滑りやすく、屋外で冬に雪が吹き込みやすい仙台などでは特に危険です。
しかし、賃貸マンションやアパートのオーナーさんではコスト高の為、そのまま放置されている例も少なくありません。また、当初から共用廊下や避難階段の防水の認識が少なく、塗床仕様で施工を依頼されるケースもよくあります。
そこで、仕上げ一体型塗膜防水材として、防水材とトップコートの働きを持たせた工法があります。トップコートが不要なワンディ仕上げの為、工期が大幅に短縮されて改修工事には向いています。
防水性・ノンスリップ性があり、施工例としては賃貸マンションやアパートのバルコニー床面、RC避難階段、パラペット、解放廊下床面などがあります。
※なお、事前にモルタルのひび割れ・浮きの補修は勿論ですが、防水材の接着不良の原因となる埃、付着物、レイタンス、等は清掃、ケレンにて除去する必要があります。
【メーカー】 大関化学工業(株) 「パライージー」
※下地補修工事
【工程】
① 施工前の状況
② 施工前の状況 漏水による軒天部の塗膜剥離
③ ノンスリップ金物撤去
④ プライマー塗布 接着性向上の為
⑤ 第1回目防水材塗布 (ローラー又は刷毛塗り)
⑥ 第2回目防水材塗布 (ローラー又は刷毛塗り)
⑦ ノンスリップ金物を取り付けて施工完了 踏面 排水溝
⑧ 施工完了 踊場
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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