最近の分譲マンションの解放廊下の床は長尺塩ビ防滑シートが貼られ、排水溝・巾木もウレタン塗膜防水が常識になりました。廊下に置かれた室エアコン外機から出る結露水は、ステンレス製の水切りが設けられているため、酷暑の夏でも結露水は排水溝に流れるようになっています。
しかし、築10~12年位のマンションの場合には単にモルタル仕上げとなっているケースが多く、床面根にはコンクリートの乾燥・収縮に伴うひび割れが発生し、排水溝・ドレン周りにはモルタル浮きが発生します。これはコンクリートでは避けることが出来ない症状で、漏水の原因となって躯体を少しづつ痛めていきます。
築12~15年目に行われる大規模修繕工事では改修の必須項目となってますが、殆どの場合長尺塩ビ防滑シート及び排水溝・巾木のウレタン塗膜防水工法が採用されています。大きな利点としては、美観に優れて耐久性があり、定期的な清掃により清潔感を保てる事にあります。また、改修後には高級感が出て解放廊下全体のイメージが明るく一新されます。
他には超速乾性床用塗装仕上げの工法もありますが、最低でも3度の塗り重ねが必要で施工中は歩行が制限され、溶剤臭の発生が避けられない事から、最近は殆ど施工される事はなくなりました。塩ビ防滑シート貼り工法の場合、接着剤を塗布して貼り終われば、すぐにでも通行が可能になります。また、溶剤臭も格段に低減されます。
また、仙台などでは床面に冬期間に雪が降り積もる事があり、塗装仕上げでは滑り易くて危険な為、長尺塩ビ防滑シートによって問題が解決される事もあります。この点では避難階段でも同じ事が言えます。
なお、施工にあたっては床面のひび割れ・モルタル浮き補修を適切に行う必要があり、これを怠るとシートの盛り上がりや剝れが発生する事もあります。また、モルタル面の不陸・表面の脆弱ヶ所はサンダーなどで除去し、劣化の度合いによってはカチオン系の下地調整材で仕上げておきます。
また、シート端部は雨水が侵入したり剝れ易い為、エポキシ系のシール材で処理を行っておきます。
① 施工前
② モルタル面の清掃・下地調整
③ ゴムへらでエポキシ接着剤を塗布
④ ジョイント部の溶接作業
⑤ シート端部のシール打ち込み
⑥ シールのヘラ押さえ
⑦ 施工完了
⑧ 施工完了
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