本日はある管理組合様の理事さんからの調査依頼を頂き、マンション開放廊下とバルコニー床面からの漏水調査を行いました。
このマンションは14階・98戸で築31年の建物ですが、8階と14階の開放廊下・バルコニー床からの漏水が顕著で、入居者からの再三クレームが出ており、管理組合さんとしても放置しておけない状況となった様です。
13階最上階下のお部屋への立ち入りを許可頂いてバルコニー側を調査すると、軒天部は漏水によって広範囲にわたって塗膜剥がれが進行し、庇の部分には長年に渡る漏水によるエフロレッセンスが流出し、何本ものツララ状になっていました。
手摺壁のモルタル笠木にはエフロレッセンスが堆積し、4.0CM位は有りそうな高さとなっています。軒天部からの漏水はよくあるケースですが、これまでの状況を見るのは初めて正直なところ驚きました。
漏水の原因は明解で床面側溝の塗膜切れにあり、ウレタン塗膜防水層の亀裂や入隅部モルタルの亀裂も見られます。漏水した雨水は貫通したクラックを通じて外部磁器タイル面に達し、タイル目地の床下スラブからエフロレッセンスが流出している状況です。
このマンションは15年ほど前に大規模修繕工事が実施され、バルコニーや開放廊下側溝のウレタン塗膜防水も行われていますが、劣化した塗膜の側溝の入隅部には亀裂が生じ、一部には亀裂ヶ所から草まで生えている状況です。
側溝のウレタン塗膜の入隅部と出隅部分は特に亀裂が入りやすく、通常は補強用のメッシュを入れるのが一般的ですが、どうやら補強した形跡は見られませんでした。ウレタン塗膜防水工事施工の際にはウレタン塗膜厚の確保と共に重要なポイントです。
実際の施工となると開放廊下側は問題なくても、バルコニー側に場合足場がないと作業は室内からの出入りとなり、入居所様へ負担・ご迷惑がかかります。その為には開放廊下側から隔て板を取り外し、外部からバルコニーへ立ち入らせて頂くなどの方法が考えられます。
01 軒天の塗膜剥がれ
02 エフロレッセンスの堆積
03 外壁磁器タイル面からの漏水跡
04 劣化したバルコニー床面のウレタン塗膜防水層
05 廊下側溝入隅部モルタルの亀裂
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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