今回の震災復旧工事の核心部とも言える外壁貫通部(破断性クラックとも呼ばれている)の補修ですが、いよいよ型枠組み立て作業に取り掛かります。この作業を完了して外壁を仕上げない限り、サッシや玄関扉をカバー工法で施工することは出来ません。
バルコニー側外壁(いわゆる雑壁)の損傷の大きい箇所は、破壊された壁や脆弱部を外部・内部からきれいに斫り取り、型枠を組み込んでセメント系無収縮グラウト材を充填します。
この壁は座屈して鉄筋が曲がったり損傷を受けたりしており、補強のため躯体にアンカーを打ってM10全ネジで補強します。また、サッシの額縁の結露防止のため断熱の為スタイロフォームを貼り付けます。
組み立て作業は・Pコン・セパレータ・フォームタイナットを使ってコンパネを組み込んでゆきますが、ここで大事なのがグラウト充填時のノロ止めをしっかり行う点にあります。これを怠ると室内までグラウト剤が漏れて大変なことになります。新築工事とは異なり、入居者様が生活される場で行う点が大きく異なります。
グラウト充填の必要があるヵ所はバルコニーを廊下側、そして西面のサービスバルコニーの各階です。その多くは2F~4Fに集中しています。特に廊下側の室内はユニットバスや下駄箱が取り付けられ、一部は解体しないと型枠を組み込む事は出来ません。
この工事を行うのが型枠大工さんですが、近年の公共工事や民間建築工事の激減に伴って少なくなり中々手配が出来ません。しかも、数少ない職人は公共の震災復旧工事に駆り出されて集まらず、今回は自分の後輩でもあるスーパーゼネコンさん専門の型枠屋社長に頼み込み、無理を言って職人を確保しました。
01 全ネジボルトで鉄筋を補強
02 バルコニー室内側型枠組み01
03 バルコニー室内側型枠組み02
04 バルコニー外壁側型枠組み01
05 バルコニー側型枠組み完了
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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