マンションの屋上防水改修工法の中に塩ビシート防水工法が有ります。この工法は既存の防水層の種類を問わず施工が可能で、ゴムシート、改質アスファルト・ウレタン塗膜・押えコンクリートなどが改修可能です。
特徴としては絶縁シートが下層に有るので膨れが発生し難く、耐摩耗性・耐薬品性・耐候性があって全般的な耐久性が高い工法です。しかも、全面改修の場合には防水保証がトップコートの塗りかえ無しで10年間対応が可能です。
また、機械固定工法の場合、既存の防水層裏に雨水が廻っている様な湿潤状況や、最小限度の下地補修でも施工が可能です。床面にドリルで穿孔して固定用のディスク板を取りつけ絶縁シートを固定し、その上に塩ビシートを溶剤溶着及び溶接棒を使った熱融器で溶接して貼り付けます。
塩ビシートの下には絶遠シートを重ねて貼りますが、これは塩ビシートに含まれる可塑剤の流失を防止する為のものであり、これが無いと塩ビシートは硬化して耐久性が低下します。
ディスク盤はビス止めにしますが、決められた設計数量の通りに取付け、その後塩ビシートを貼って行きます。ディスクには接着剤が含まれており、シートの端部を適切に処理して全体を仕上げて行きます。なお、この作業の際にはドリルによる騒音が発生する為、日曜や祭日は避けなければなりません。
なお、最近の塩ビシートには通気性が保たれており、施工面積にもよりますがシート下の湿気を逃がす為の脱気塔は必要が有りません。塩ビシートの種類は厚さ1.5mmの非歩行用と2.0mmの軽歩行用が有りますが、マンションの改修工事のケースでは1.5mmが多いです。
施工前 (既存 ゴムシート防水)
積層鋼板取付け
立上りシートを撤去後、ディスク取付け用プラグ穴の穿孔
床面絶縁シート貼り
ディス板の取付け
絶縁シート貼り完了
塩ビシートカット作業
接合部を専用溶剤で塩ビシート溶着
溶剤溶着及び熱融着で塩ビシート溶接
天端までシートを貼り込み施工完了 01
施工完了02
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


最新記事 by 坂野宏三 (全て見る)
- 屋上防水工事 改質アスファルトトーチ工法 2024.11.25 - 2024年11月27日
- 屋上塩ビシート防水改修工事 2024.05.30 - 2024年5月30日
- エントランス前スロープ設置・自動扉改修 2024.05.13 - 2024年5月13日
- 機械式駐車場パレット補修塗装のポイント - 2023年12月22日
- マンション建て替え円滑化 多数決の緩和案提示(法務省) 2023.06.19 - 2023年6月19日