震災復旧工事でのタイル補修工事では開口部廻りの損傷が多く、雑壁には特有のX型の破断性クラックが見られます。EVホール外壁は開口部が多く、損傷が激しい場合には貫通クラックや欠損などが生じる場合も有ります。
今回のケースではタイルのひび割れや欠損が見られましたが、躯体のひび割れまでは至っておらずクラックの注入作業は有りません。但し、タイルの浮きが生じている箇所落下防止にためにアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法を行う必要が有ります。(通常は全面注入ピン13本 25穴/㎡)
ひび割れ・欠損のアルタイルは張り替えの対象となりますので、タイル目地にカッターを入れて斫り機などで撤去します。撤去後は下地モルタルで平滑にします。今回は雨掛かり箇所で漏水の発生箇所でもある為、ヘアクラックも対象となるため6700枚の張替えとなっています、。
既存のタイルは幸い標準品で対応できた為特焼きの必要はなく、陶磁器質タイル用接着剤で貼り戻します。この接着剤は一液反応硬化型の変性シリコン樹脂系の接着剤で、硬化後はゴム状の弾力性を持つため、下地変形等による応力を緩和します。つまり、セメント系の接着剤と比べて地震などの挙動にも対応し、タイルの浮きに強く躯体にひび割れが入っても防水性が比較的高いという特徴が有ります。
最後は既存の色に合わせた目地材を詰め、拭きとった後はエフロセッンスセンス流出防止のための酸洗いを行います。ここで意外と目地材の色の選択を誤るケースが見られ、完了後張り替えたタイル廻りの目地が白く目立って美観を損なっているマンションが有ります。
足場架設工事
タイル浮きエポキシ樹脂注入
タイル張替えの為カッター入れ(タイルのひび割れ)
タイル斫り(ハツリ)作業
タイル斫り完了
タイル下地モルタル仕上げ
弾性系タイル接着材
タイル張り付け
タイル張り付け完了
目地モルタル充填
目地モルタルの拭き取り
拭き取り完了
タイル目地の酸洗い(エフロレッセンス流出の防止)
酸洗い洗浄完了 施工完了
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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