今回、賃貸マンションの第2回目の大規模修繕工事を施行させて頂く事になりました。15年前に第1回目を施工させて頂きましたが、震災後の7年前に外壁やエクスパンションの補修を行って以来の工事で、築38年の建物の施主様にとっては大きな決断をされた事と思います。
第2回目となると前回より施工範囲が拡大する事が一般的で、下地の状況や塗膜・シーリング・鉄部などの劣化が進み、サッシ・玄関扉のトラブルなどが発生し、どうしても相対的な費用は上昇する事になります。分譲マンションと異なり、賃貸の場合は長期の修繕計画は無いのが一般的で、第2回目となると入居者率の低下と資金難がネックとなります。通常、賃貸の場合は入居者の入退室に伴う内部のリフォームが中心で、屋上防水や外壁・鉄部の改修工事には中々手が回らないのが現状では無いでしょうか。
今回の施主様の場合はマンションが市内の中心部で地下鉄などの便が良く、廻りも比較的静かな環境で近くのショッピングセンターや医療関係の施設も充実しており、立地条件が良いため長期に渡る入居者様が多い点が挙げられます。これが最後の改修工事で良好な状態で建物を残し、これから跡を受け継ぐ方への大切な資産の受け渡しとも言えると思います。
今回の修繕計画では前回行わなかった屋上の防水改修を含まれ、妻壁や外階段の漏水問題を根本的に解決する事に重点を置き、限られた予算でバランスの取れた修繕工事をどう行うかが課題となります。分譲マンションのケースとは異なり、すべての項目を網羅することは難しいため、詳細な調査を踏まえ多上で施主様との十分な協議が必須となり、優先順位を考慮しながらコストに合った修繕計画を立案させて頂きました。
また、賃貸の場合は入居選択の際のイメージが重要視されるため外観や外壁の色の選択も重要で、カラーシュミレーションを提出させて頂きました。どうしても車の通行が多い場所のため汚れが付きやす事もあり、施主様としてはイメージの一新と共に落ち着いた色を選択したいとのご要望でした。
【関連サイト】 マンション大規模修繕工事 仙台 明和


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