分譲マンションの場合、既存の屋上防水の仕様は様々ですがアスファルト露出防水のケースが多いと思います。第1回目の大規模修繕工事の場合、一般的な改修仕様は最も施工実績が多く信頼性の高い改修工法と言われてる改質アスファルトトーチ工法と、より耐久性に優れた塩ビシート防水機械固定式工法が有ります。
前者が紫外線による劣化を防ぐ為の5年ごとの保護塗装が推奨されている事に対し、後者は基本的に必要が無い為管理がし易い事とメンテナンス費用が不要な点に有ります。コストは塩ビシート防水機械固定式工法が高くなりますが、最近では価格差は少なくなりより高い耐久性と信頼性を選択する管理組合様が多い傾向にあります。
しかし、大規模修繕工事の現状として予算不足の為屋上防水工事が先送りになるケースがあり、3~5年後に実施される事は良くあります。従って、管理組合様の選択肢として劣化の状況と耐久性を判断し、大規模修繕工事に実施するか先送りにするかの選択が必要になります。
ここで重要なポイントが価格の問題です。最近まで、アスファルト露出防水層にウレタン塗膜防水を可能とする下塗り材が有りませんでしたが、5年ほど前からアスファルト専用の下塗り材が開発され、アスファルト露出防水層にウレタン塗膜防水が可能となりました。この防水工法の場合1液型で硬化が早く仮防水の必要性も低い為作業性に優れています。メリットとしては工事費の縮減と工期の短縮があげられ、最近は導入される管理組合様が次第に増えています。
但し、基本的にはメーカー及び施工業者の10年保証が原則ですが、既存防水層の下地の状況判断や漏水が有った場合等には該当しない場合もあり、管理組合様としてはコストに加えて耐用年数を加味した総合的な判断が必要です。
【メーカー名】 ダイフレックス
【商品名】 「エバーコート Zero-1H」


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