弊社で7年前に屋上防水改修工事を施工させて頂いたマンションですが、2年前から5階屋上階居室の天井からの漏水が止まらず、入居者様は大変なご苦労をされている状況でした。改修の仕様は露出アスファルト防水層に塩ビシート防水で10年の保証をお付けしていますが、何度も平場・立上り・笠木・ハト小屋廻り・外壁など、あらゆる箇所の調査を行っても原因究明に至らず、今回は漏水検査専門の会社に調査を依頼しました。
すると調査の結果は意外なもので、屋上塔屋鉄骨架台の発錆ヶ所又はボルト廻りからの雨水の侵入が疑われ、漏水箇所と雨水の侵入ヶ所と思われる箇所にターミナルを取り付けると、電気抵抗値を表示する漏水調査の機器はメーターの針が右に振れて結果を示していました。
漏水補修作業は鉄骨基礎ベース廻りのケレン・錆止めを入念に行い、架台全体のウレタン塗膜防水を行った上でボルトの頭に塩ビ製防水キャップを取り付ける作業です。施工後3週間ほどの経過観察の結果は良好で、塩ビシート平場下の断熱層に溜まった水の排出は止まり、ようやく漏水補修作業は完了となりました。
結局、漏水の原因は錆びた基礎の全ねじボルト内部の隙間に塗膜剥離部から雨水が侵入したものと思われ、平場の防水層の下に水が廻った様に思われます。平場や立上がり・笠木廻りの防水が効いているとしても、それ以外の要因で漏水が発生するとは意外でした。
屋上階居室天井のひび割れからの漏水
屋上塔屋廻り
塔屋鉄骨基礎ベースの発錆箇所
漏水発生箇所に試験機のターミナルを取り付ける。
雨水の進入路と思われる鉄骨ベースにターミナルを取り付ける。
スィッチを入れるとメーターが右に振れて通電している事になる。
ベースのケレン・錆止め・塗装作業。ベース下に隙間が有ります。
塗装作業完了
ベース及び架台全体のウレタン塗膜防水処理。
ボルトの頭には念のため塩ビ製の防水キャップを取り付ける。
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