仙台市内では今年の2月 3月 5月にかけて震度5から震度6弱ほどの地震が続き、築年数が25年以上を経過している様なマンションに特に被害が生じている様です。被害の程度はがタイルの剥落や雑壁のせん断クラックなどから微細なひび割れ・欠損など様々ですが、概ね疎外保険会社の査定では梁・柱に多少の損傷が認められる場合は一部損壊の判定(満額保険金額の5.0%程度)が出ている様です。
今まで10件ほどのマンションを調査させて頂いた範囲では、以前の3.11震災時の雑壁補修跡に再び損傷が出ている様ですが、震度6クラスの地震になると同じ所に再び被害が及ぶという傾向が見られます。確かに3.11震災時には欠損補修やひび割れエポキシ注入した箇所でも、室内側の雑壁側は補修した後でもそのまま損傷が残っており、雑壁全体の強度は低下していると思われます。
そこで管理組合様の対応は被害の程度によりどの範囲で補修を行うのかが問題となりますが、一般的には共用廊下階段室内雑壁・手摺壁及び天井を優先し、バルコニー側は各個別のアンケートを実施した上で補修の必要性を検討されているケースが多い様です。
また、専有部内では戸境壁が共用部となっている為アンケートの対象となりますが、実際の施工となった場合には入居者様への負担が大きいところから、クロスの張替えなどを除き実施は困難なケースが多い様です。また、被害程度の認識では各戸の入居者様によって異なり、管理組合様ではどこに基準をどこに置くのかが難しい状況にあり、結論を出して補修を実施する事の妨げにもなっていると思われます。
調査のご要望のあった管理組合様へは全て対応させて頂いていますが、実際、調査は終了しても中々理事会や修繕員会での結論が出ず、実施段階の予定が決まらないといいうケースも多いと思われます。従って、年内から3月末くらいまではこの状況が長引く可能性が有ると思います。
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