先月、首都圏のお客様より賃貸マンションの調査・診断のお申し込みがあり、目視と部分打診検査による簡易的な無料調査を実施しました。
仙台では、バブル時期以降に建てられた賃貸マンションが多数見受けられますが、築15~20年を経過して建物全体に劣化がみられるケースが多いようです。分譲マンションと異なって長期の修繕計画が有ることは少なく、屋上からの漏水や磁器タイルのひび割れ・落下、あるいはサッシ廻りから部屋内部への漏水などによって劣化状況が明らかになるケースが多いのです。
良くあるケースとしたは首都圏のオーナーさんの物件で、築10~15年位の中古物件を購入されたお客様は数多いと思われますが、殆ど修繕がされていないまま現在に至っている建物が多いといえます。分譲マンションの場合、築12~15年目に大規模修繕工事が実施され、築25~30年目位に給水管や配水管の更正工事が行われています。
従って、築15年目を過ぎた物件は屋上防水層や磁器タイル・塗装面、あるいは鉄部塗装ヶ所の大がかりな修繕が必要な時期にさしかかっている訳です。しかし、その為の修繕費は日頃の管理費では補いきれず、多額の出費を伴うことから賃貸マンション修繕工事での大きな妨げとなっています。
今回のケースでは購入前のお客様からの調査依頼でしたが、築16年目の物件は屋上防水層、開放廊下の排水溝に防水の不具合がみられ、一部は漏水を伴って外壁磁器タイル面に漏水し、エフロレッセンスが発生している状況でした。
当面の処置としては屋上防水層の全面改修、開放廊下・避難階段の排水溝の防水、高架水槽架台の塗替えを提案させて頂きました。今回はバルコニー床面の調査は出来ませんでしたが、床面の防止機能も低下していると思われ、可能ならば一部でも調査の実施は必要と思われます。
01 屋上シート防水層の膨れ・水溜まり (凍害に発展することも有ります)
02 パラペット立上りフラットバー廻りの施工不良による漏水(アルミフラットバーが無い)
03 室外機下のシート防止層の剥離・皺
04 高架水槽架台鉄骨・塔屋軽量鉄骨の発錆。腐食
05 開放廊下排水溝の防水機能低下 (既存は塗装仕上げのみ)
06 磁器タイル目地への漏水
関連サイト 「マンション修繕工事サイト仙台」
【仙台で外壁改修、塗装、防水を中心とした大規模修繕工事に特化した明和】


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